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2、黒水晶(規律と守護)モリオン
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「なんだって?宝石商?」
「……いえ、なんでもありません…」
「アマゾナイトがもっとほしいのかい?」
「そういうわけではないのですが……」
あの老人のことを訊ねてみようか、訊いても無駄かと私は迷い、口篭った。
「他の石が欲しいのなら、ピェールの店に行ってみると良いよ。」
「ピェールの店?…それは宝石店なのですか?」
「まさか!
ピェールの店は……ま、骨董屋みたいな……なんでも屋みたいなもんだね。
パワーストーンをたくさん扱ってるんだよ」
「……パワーストーン?」
私が聞き慣れないその言葉に小首を傾げるのを見て、ロアンヌは呆れたような表情を浮かべた。
「おやまぁ!あんた、パワーストーンを知らずに、その指輪を付けてたのかい。
いいかい?パワーストーンっていうのはね。
宝石的な価値はそれほどじゃないかもしれないけど、不思議な力を持った持ち主想いの可愛い石達のことさ。」
ロアンヌは説明をすると、またにこにこと微笑んだ。
石の話をする時のロアンヌはとても楽しそうで、彼女がとても石が好きだということがよくわかる。
私がまだ行くともなんとも答えないのに、ロアンヌは親切にピェールの店までの地図を描いてくれたので、行かないわけにもいかなくなった。
(確かにそういう店の者なら、もしかしたらあの老人のことを知ってるかもしれない…
ここからだと、あの市場へもさほど離れてはいないし、知り合いである可能性は高そうだ。)
少なくとも、普通の宝石店へ行くよりは手がかりをみつけられそうに思え、私はその店に行ってみることにした。
「……いえ、なんでもありません…」
「アマゾナイトがもっとほしいのかい?」
「そういうわけではないのですが……」
あの老人のことを訊ねてみようか、訊いても無駄かと私は迷い、口篭った。
「他の石が欲しいのなら、ピェールの店に行ってみると良いよ。」
「ピェールの店?…それは宝石店なのですか?」
「まさか!
ピェールの店は……ま、骨董屋みたいな……なんでも屋みたいなもんだね。
パワーストーンをたくさん扱ってるんだよ」
「……パワーストーン?」
私が聞き慣れないその言葉に小首を傾げるのを見て、ロアンヌは呆れたような表情を浮かべた。
「おやまぁ!あんた、パワーストーンを知らずに、その指輪を付けてたのかい。
いいかい?パワーストーンっていうのはね。
宝石的な価値はそれほどじゃないかもしれないけど、不思議な力を持った持ち主想いの可愛い石達のことさ。」
ロアンヌは説明をすると、またにこにこと微笑んだ。
石の話をする時のロアンヌはとても楽しそうで、彼女がとても石が好きだということがよくわかる。
私がまだ行くともなんとも答えないのに、ロアンヌは親切にピェールの店までの地図を描いてくれたので、行かないわけにもいかなくなった。
(確かにそういう店の者なら、もしかしたらあの老人のことを知ってるかもしれない…
ここからだと、あの市場へもさほど離れてはいないし、知り合いである可能性は高そうだ。)
少なくとも、普通の宝石店へ行くよりは手がかりをみつけられそうに思え、私はその店に行ってみることにした。
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