ラッキーアイテムお題短編集5

ルカ(聖夜月ルカ)

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週刊誌(しし座)

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事実だということを確認すると、ますます他人の秘密を覗き見るのが楽しく感じられた。
本当に定期購読したいくらいだけど、住所を言うことにはやはり抵抗があった。

金曜日には新しい号が読みたいという気持ちが高まり、私は怖さも忘れてあの男性がいやしないかと先日の本屋に行ってみたが、しばらく待っても会えることはなかった。



(当然よね…
私ったら、何を考えてるのかしら…馬鹿みたい。)



家に戻った私は、そこで小さな違和感を感じた。



(違う……!)

私の視線はベッドサイドのあの週刊誌に釘漬けになっていた。
なぜなら、私がもらったあのウィークリー真実は、どこか場所はわからないけど、湖のようなぼんやりとした風景が表紙だったのに、今、私の目の先にある週刊誌は林のような場所が表紙になっていたからだ。

そうだ…週刊誌は昨夜からここにあった。
場所は動いてないのに、なぜ表紙が…もしかして、私の勘違い?
私は恐る恐る週刊誌を手に取り、中をぺらぺらとめくった。
そこに書かれていた記事は、私が読んだ事のないものばかり。
急に背筋が寒くなり、私はあちこちの鍵を確かめた。
どこか、鍵をかけ忘れていた所はなかったか、鍵を壊されている所はないか…
だけど、そんな所はどこにもなく…そのことがさらに私の恐怖をかきたてた。



警察に相談する?
いや、こんな話取り合ってくれる筈がない。
そもそも、何も取られてないんだから、被害届も何も出せたもんじゃない。
私はなにか空恐ろしいものに関わってしまった気がして、とにかく週刊誌を捨てようと考えた。
だけど…そこでまた私の悪い癖がわきあがった。
新しいものには何が書いてあるかが気になってしまったのだ。、



(そうよ…捨てるなら読んでからでも構わないんだわ…)



今回もまた新たな人物の記事や、前回の続きのような記事もあり、私の好奇心はかきたてられた。
その中でも特に気になったのが、私の嫌いな同僚が部長に言い寄ってふられたという記事だった。
その女は、私より三ヶ月程後に入社した女なんだけど、なぜだか、私を目の仇のようにしている。
それは、多分、社内のカラオケ大会の時に私が優勝したせいだと思う。
それまでは特に何の問題もなかったのが、それをきっかけに急に態度が変わったから。
なんでも、私が歌った曲を彼女も歌おうとしていたらしく、私が順番が先だったので、真似をしたと思われるのがいやで変更し、それでいつものようには歌えなかったと他の子には言ってたらしい。
本当につまらない理由だ。 
 
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