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第7章…side ノワール

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「気が付かれましたか!?」

私が目を開けると、目の前には見知らぬ女の顔があった。
ゆっくりとあたりを見回してみると、どこかはわからないが、粗末な小屋の中だということはわかった。
私はその中に寝かされている。



(なぜ、私はこんな所に…)



「大丈夫ですか?」

身体のあちこちがきりきりと痛んだ。
なんとなく気分も良くない…



「……ここは…?私は、どうしてこんな所へ…」

「あぁ、良かった!口がきけるのですね。
あなたは、三日前に浜辺に打ち上げられていたのです。
思い出せますか?」

「浜辺に…?」



(……そうだ!
私はあの時、船から落ちて…
そうか…そうだったのか…だが、私は助かったのだな!)

記憶を辿りながら、自分が助かったことに心の底から安堵した。



「あなたが助けて下さったのですか!
本当にありがとうございました。」

「いえ…ここにはお医者様がいないので、たいした手当ても出来ず…
なかなか目を覚まされないので心配していたのですが…本当に良かった…」

「そうだったのですか…
あ…私はノワールという者です。」

「ノワールさん……私はパメラです。」



パメラという女は、そう若くはなく、たいそう粗末な身なりをしていた。
聞いてみると、両親はすでに亡くなり、ここには一人で住んでいるということだった。

私は、ブルーのいる大陸に流されたと思いこんでいたのだが、そうではなかった。
私が流れ着いたのはその大陸から少し離れた小さな島だったのだ。

そのことには少し失望を感じたが、そう贅沢も言えない。
助かっただけでも感謝しなくては…

パメラは献身的に私に尽くしてくれた。
食べるものはろくなものではなかったが、きっとそれでも精一杯のことなのだろうと思った。



しばらくすると、私はなんとか身体を動かせるようになった。
初めて小屋の外に出た時に私の目に映ったものは、曇った空と海に続く浜辺…
そして小屋の前の狭い畑にわずかに実った貧弱な野菜…

私はパメラに付き添われながら、浜辺へ向かった。

彼方に大陸の影がうっすらと見える。



「パメラさん、ここから大陸へはどのくらいかかりますか?」

「けっこう遠いですよ。
船で四~五日はかかると思います。」

「四~五日ですか…でも、そのくらいならすぐではありませんか。
私はどうしても大陸に行かねばならないのですが、誰かに船を頼んでいただけないでしょうか?」
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