天使の探しもの

ルカ(聖夜月ルカ)

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第3章…side ノワール

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「ノワールさん、な、何をなさるんです?!
使用人達が見てます。
離してください!!」

「あぁ、なんとしなやかな身体だ…
私はあなたの身体をこうやって抱き締めることを何度夢に見たことか…
誰が見ていようとそんなこと構わない。
私はもうあなたを離すことなんて出来ません!
愛しています、ラウル…」

私は涙を流し、すがるような瞳をラウルに向けた。



「ノワールさん……本当に…?」



堕ちた…
彼女の瞳が、私を受け入れたことを確信した。

私はそのまま、彼女の唇に自分の唇を重ねた。



簡単なことだった。
ただ、これだけのことで、彼女は私の手の内に堕ちたのだ。
あまりのたやすさに私は拍子抜けするほどだった。



その後、私はラウルの屋敷に住み着いた。
アデリーヌが何度も押しかけて来たが、その度にラウルが出向き追い返してくれた。

激しい罵声、そして時には頬を打つ音が聞こえた。

しかし、私には関係のないこと…
面倒なことは御免だ…
そんなことはあえて気にしないようにつとめ、私は奥の部屋でワイングラスを傾けていた。

しばらくして、髪を振り乱し、顔を赤くしたラウルが部屋に戻ると、私は彼女を抱き締め口付ける。
それだけで彼女は落ちつきを取り戻し、機嫌を直すのだ。
赤子をあやすよりもずっとたやすい…



幸いな事に、アデリーヌの度重なる訪問が、私の計画の口実となってくれた。

「ラウル…あの女は相当に執念深い…
これからもきっとここへ来る事だろう…
その度に、君がいやな想いをするのが耐えられない。
……どうだ?この土地を離れないか?」

「えっ?ここを離れて一体どこへ行こうと言うの?」

ラウルは私の胸に身を委ねながら、驚いたような顔を私に向けた。



「君と二人でいられるならどこだって良いさ。
船を買って、世界中を旅しないか?
あのしつこい女が追って来れないようなどこか遠くへ…」

そう言いながら私は彼女の髪をなで、その小さな瞳をじっとみつめる…



かくして、私は一艘の船を手に入れた。
ラウルは屋敷を手放し、莫大な金を作ってくれた。
その金で、私は長い航海に備えて大量の水や食料を買いこみ、優秀な乗組員を募った。
準備は整った。
いよいよ、明日、出航する。 
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