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第2章…side ブルー
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「今夜から?
いくらなんでも、そりゃあ無理だろう!
あがっちまったら台無しになっちまう。」
「……あんた、人前で歌ったことはあるかい?」
「あぁ…」
「そうかい、じゃ、大丈夫だね。
そういえば、楽器はどうだい?
何か弾けるかい?」
「故郷の楽器なら弾けるのだが…」
そう答えると、私は違う場所へ連れていかれた。
そこには、様々な楽器が置かれており、私の知ってるものはもちろん一つもなかったが、その構造から考えて弾くのは造作ないことだと思えた。
少し時間をもらえればじきに弾きこなせるようになるだろう。
「あ……」
私の目は片隅のリュートに留まった。
「なんだい?
あんた、リュートが弾けるのかい?」
少しさわってみると、やはり思った通り、私が天界で弾いていた竪琴とほとんど変わらないことがわかった。
私は腕慣らしに適当な曲を奏でてみた。
天界のものとは比べものにならないが、それなりに心地良い音色だ。
「あんた!楽器の腕もたいしたもんじゃないか!
座長、これは堀り出しもんだよ!」
女は興奮したように私をみつめ、座長も満足気に頷いていた。
「よし!
今夜、早速、そのリュートを弾きながら歌を歌ってもらおうじゃないか!
それでウケが良かったら、採用決定だ!」
そんないきさつから私は早速その晩のステージに立つ羽目になってしまった。
考えてもみなかったことだが、今にして思えば下働きをするよりもその方が良かったのだ。
私が多くの人々の目にさらされることになれば、私の片割れが私の存在に気付く機会も増えるのだから…
「なんだ、これは…」
「あんたの衣裳さ!
きっとよく似合うよ。」
私はゴテゴテと煌びやかな飾りの付いた趣味の悪い衣裳を着せられた。
「いいかい?あんたは、今日からプリンス…つまり王子様さ。そのつもりでね。
そういえば、まだあんたの名前を聞いてなかったね。
名前はなんてんだい?」
「…ブルー…」
「ブルーなんてんだい?」
「……ただのブルーだ…」
「そうか、ファミリーネームは言いたくないんだね。
まぁいいさ。
じゃ、あんたの芸名は……そうだね。
プリンス・ブルー…う~ん、なんだかゴロが良くないね…どうしようかねぇ…」
女は腕を組み、私の芸名に頭をひねる。
いくらなんでも、そりゃあ無理だろう!
あがっちまったら台無しになっちまう。」
「……あんた、人前で歌ったことはあるかい?」
「あぁ…」
「そうかい、じゃ、大丈夫だね。
そういえば、楽器はどうだい?
何か弾けるかい?」
「故郷の楽器なら弾けるのだが…」
そう答えると、私は違う場所へ連れていかれた。
そこには、様々な楽器が置かれており、私の知ってるものはもちろん一つもなかったが、その構造から考えて弾くのは造作ないことだと思えた。
少し時間をもらえればじきに弾きこなせるようになるだろう。
「あ……」
私の目は片隅のリュートに留まった。
「なんだい?
あんた、リュートが弾けるのかい?」
少しさわってみると、やはり思った通り、私が天界で弾いていた竪琴とほとんど変わらないことがわかった。
私は腕慣らしに適当な曲を奏でてみた。
天界のものとは比べものにならないが、それなりに心地良い音色だ。
「あんた!楽器の腕もたいしたもんじゃないか!
座長、これは堀り出しもんだよ!」
女は興奮したように私をみつめ、座長も満足気に頷いていた。
「よし!
今夜、早速、そのリュートを弾きながら歌を歌ってもらおうじゃないか!
それでウケが良かったら、採用決定だ!」
そんないきさつから私は早速その晩のステージに立つ羽目になってしまった。
考えてもみなかったことだが、今にして思えば下働きをするよりもその方が良かったのだ。
私が多くの人々の目にさらされることになれば、私の片割れが私の存在に気付く機会も増えるのだから…
「なんだ、これは…」
「あんたの衣裳さ!
きっとよく似合うよ。」
私はゴテゴテと煌びやかな飾りの付いた趣味の悪い衣裳を着せられた。
「いいかい?あんたは、今日からプリンス…つまり王子様さ。そのつもりでね。
そういえば、まだあんたの名前を聞いてなかったね。
名前はなんてんだい?」
「…ブルー…」
「ブルーなんてんだい?」
「……ただのブルーだ…」
「そうか、ファミリーネームは言いたくないんだね。
まぁいいさ。
じゃ、あんたの芸名は……そうだね。
プリンス・ブルー…う~ん、なんだかゴロが良くないね…どうしようかねぇ…」
女は腕を組み、私の芸名に頭をひねる。
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