天使の探しもの

ルカ(聖夜月ルカ)

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第1章…地上へ

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周りの景色が一瞬のうちに変わった。

地上に着いたのだと私は悟った。

特にこれといって何も感じることのないのどかな風景…

とりあえず、都会ではないことだけはすぐにわかった。

自分の着ている物にも目を落とす。
これもまた取り立ててなんという事もない服装だ。

少し先に小さな泉があるのが見えた。
ふと、あそこで自分の姿を写して見ようと思い、斜面を降りようとした時、私は何かにつまづき足をくじいてしまった。



(……なんと無様な…)

ふだん、こんな風に靴を履き、地面を踏みしめて歩くことなど滅多にない。
だからこそ、こんなことになるのだ。

私は泉に行くのはやめた。
どんな容姿をしていようがさして重要なことではない。

初めて感じる足の痛さに私は思わず顔をしかめる。

最初からツイてないことだな…
こんな足で人間のいる町まで歩いていけるのだろうか…

そんなことを考えながら、私は道の片隅に座り込み、あたりに広がる景色をぼんやりとみつめていた。

実に退屈な風景だ…
たまに動くものといえば、空を飛ぶ小さな鳥と、ゆるやかな風になびく木々…



(さて、これから、どうしたものかな…)



そういえば、地上では町に着いても金がないと宿屋には泊まれない。

人間の世界では何をするにも金というものが必要なのだ。

無意識に胸のポケットを探ると、そこには小さな革の袋が入っていた。

中には金貨でも入っているのだろうと思ったら、袋から転がり出てきたのは黒い石ころだった。

とても高い値で売れそうには思えない石ころだ。
それとも、こんなものが人間界では価値があるとされているのだろうか…?

私は、石ころを手の平に転がし、まじまじとみつめていた。



『私は石の精霊です。
あなたの小さな力になるよう、創造主様から言いつかっております。』

「石の精霊?」

つまらないことを…こんなものより金貨にしてくれた方がずっと助かるのに…



『そんなことはありません。
私は金貨よりずっとあなたの役に立ちます。
まずは、創造主様からの伝言なのですが…』 

黒い石ころは、私の心の中が読めるらしく、勝手にいろんなことを話し始めた。
いや、話すとは言っても私の心の中に直接伝えてくるのだが…

石ころの話によると、私の片割れはどこにいるかわからないだけではなく、同じ時代にいるかどうかもわからないらしい。

創造主も随分と手の混んだことを考えたものだ。
それだけ、私の力を畏れているということか…
そう思うと、どこか気分の良いものを感じた。

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