318 / 364
日曜日のデート
1
しおりを挟む
「あ、優香、見て見て!あそこに桜が咲いてるよ!」
「え!?……もう、やだ。
あれは桜じゃなくて梅よ!」
「へぇ、そうなんだ?
でも、よく似てるね。」
(いやいや、そんなに似てないし。
梅と桜はなかなか間違えないよ。)
私の彼、祐介は、おおらかというのかなんというのか、なんでもわりと適当。
でも、憎めない性格なんだ。
「やっぱり、優香の言う通りだったね。
桜はまだ咲いてないんだね。」
「そうね。多分、桜は来週あたりからじゃないかなぁ。」
日曜日にはよく近所をぶらぶらする。
まだ結婚してないカップルのデートにしては、ムードがない。
でも、彼はこんな風に、二人で他愛ない会話をしながら散歩するのが好きみたいだから仕方がない。
「あ~、可愛い花だね。確かに桜とは違うね。」
梅の木の近くに来て、彼はそんなことを言った。
彼はなんでも素直に認める。
そこは良いところだと思う。
「梅が咲いたら次はさく…」
「あ!優香!うぐいすだ!」
祐介が指さした先には、鮮やかなうぐいす色の小鳥が止まってた。
「すごいよ、優香!
僕、初めてうぐいすを見たよ。」
「あのね、祐介。あれはうぐいすじゃなくて、メジロ。
ほら、目の周りが白いでしょ?」
「あ、本当だ!
へぇ~、あんなにうぐいすっぽいのに、メジロなんだ。」
祐介は感心したように頷いて、愛しげにメジロを見上げた。
彼のそんな横顔を見ていると、なんだか胸がじんわりと熱くなる。
やっぱり、私は祐介のことが好きなんだろうな。
だからこそ、こんな散歩デートにも文句も言わずついてきてしまうんだろう。
「うぐいすは、なかなか人前には姿を表さないみたいだよ。
メジロより体も小さいし、色も地味みたい。」
「優香は本当に物知りだね。」
「そんなことないよ。
それに、私もまだうぐいすは見たことないし。」
「そっか~
いつか、二人でうぐいすが見られたら良いね。」
「……そうだね。」
見上げた空は、抜けるような青空だった。
「え!?……もう、やだ。
あれは桜じゃなくて梅よ!」
「へぇ、そうなんだ?
でも、よく似てるね。」
(いやいや、そんなに似てないし。
梅と桜はなかなか間違えないよ。)
私の彼、祐介は、おおらかというのかなんというのか、なんでもわりと適当。
でも、憎めない性格なんだ。
「やっぱり、優香の言う通りだったね。
桜はまだ咲いてないんだね。」
「そうね。多分、桜は来週あたりからじゃないかなぁ。」
日曜日にはよく近所をぶらぶらする。
まだ結婚してないカップルのデートにしては、ムードがない。
でも、彼はこんな風に、二人で他愛ない会話をしながら散歩するのが好きみたいだから仕方がない。
「あ~、可愛い花だね。確かに桜とは違うね。」
梅の木の近くに来て、彼はそんなことを言った。
彼はなんでも素直に認める。
そこは良いところだと思う。
「梅が咲いたら次はさく…」
「あ!優香!うぐいすだ!」
祐介が指さした先には、鮮やかなうぐいす色の小鳥が止まってた。
「すごいよ、優香!
僕、初めてうぐいすを見たよ。」
「あのね、祐介。あれはうぐいすじゃなくて、メジロ。
ほら、目の周りが白いでしょ?」
「あ、本当だ!
へぇ~、あんなにうぐいすっぽいのに、メジロなんだ。」
祐介は感心したように頷いて、愛しげにメジロを見上げた。
彼のそんな横顔を見ていると、なんだか胸がじんわりと熱くなる。
やっぱり、私は祐介のことが好きなんだろうな。
だからこそ、こんな散歩デートにも文句も言わずついてきてしまうんだろう。
「うぐいすは、なかなか人前には姿を表さないみたいだよ。
メジロより体も小さいし、色も地味みたい。」
「優香は本当に物知りだね。」
「そんなことないよ。
それに、私もまだうぐいすは見たことないし。」
「そっか~
いつか、二人でうぐいすが見られたら良いね。」
「……そうだね。」
見上げた空は、抜けるような青空だった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
新☆何でも屋
みのる
大衆娯楽
店主中村となった新装開店『何でも屋』。その約1年の軌跡をまた!思いついた時にみのるがseiiti氏から引き継ぎ、書いていきます。著作権はseiiti氏から譲り受けました。
(気が向いたら足を止めてやって下さい)
※とても短文であることを覚悟しておいてください。
※※更に不定期更新であることも覚悟しておいてください。m(_ _)m
※※※知ってる人は知っている……
知らなかった人……は、……そのまま居ても(ある意味)良し!←?
実は作者が……最近みのるではありませぬ。
(てか気づいてたけどぉ?)
そう!まさかのseiiti氏なのです!
アルファポリス収益報告書 初心者の1ヶ月の収入 お小遣い稼ぎ(投稿インセンティブ)スコアの換金&アクセス数を増やす方法 表紙作成について
黒川蓮
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスさんで素人が投稿を始めて約2ヶ月。書いたらいくら稼げたか?24hポイントと獲得したスコアの換金方法について。アルファポリスを利用しようか迷っている方の参考になればと思い書いてみました。その後1ヶ月経過、実践してみてアクセスが増えたこと、やると増えそうなことの予想も書いています。ついでに、小説家になるためという話や表紙作成方法も書いてみましたm(__)m
短編集:あくまで私は生きている【2023年度文芸部部誌より】
氷上ましゅ。
現代文学
部活動で作成した部誌をアルファポリスに置き換えたものです。気になるものから読んでいただいて構いません。
1作目:ハグレモノ@2023版(改変)
2作目:Fellow(無修正)
3作目:へつほつの牢籠ぎ(若干改変)
4作目:西へと歩む(微修正)
5作目:フタリシズカ(改変)
6作目(長編):半年前の5日には何があった?前編(初公開作品)
7作目(長編):春に捧ぐ 1(初公開作品)
8作目:希死概念(初公開作品)
つまやかし日記~2018.7月転職ピンチを乗り越えろ、わすれるな〜
三五八11
大衆娯楽
2018.7.10
転職ピンチを乗り越えろ
そして、妻さんの優しさをわすれるな
目標
「奥さんを甘やかす」略して
【つまやかし】を達成する為
掃除・洗濯などの家事を覚え始めたんですが
一番好きなのは料理なんで
前日の仕込み、当日仕上げは
奥さんか私の先に帰った方。
時折長男に火をつけさせる
他にも家事について書きます
食費計算までいけたらいいなぁ
おぴちょん様
ひでとし
大衆娯楽
時は昭和後期から平成の前半、舞台は北関東の架空の町「岩原」と東京都内。
岩原の土建屋のボンボンでお人好しの西田は呪われた運命に弄ばれ、ヤクザの組長の娘と結婚して死別し、苦渋の20代を過ごして人が変わってしまった。
西田は組を受け継ぐと悪辣な事業を行い、淫乱な娼婦と三度目の結婚をし、脱税のために新宗教を興して教祖に納まる。
西田は名家の美少年に魅入られて犯し、ゲイセックスにもはまり込むが、その美少年の不思議な治癒能力を利用して自らの新宗教で莫大な金を稼ぐ。
その金で東京都内に幾つもの風俗店をオープンさせ、妻と手下の暴力団員に経営させ、美女、ゲイ、ニューハーフとのセックスに溺れて、幾多の殺人にも手を染める。
やがて西田は妾の一人に殺害されるが、巨額の集金マシーンと化した教団とセックスまみれの悪縁は、残された者たちに引き継がれ、果てしない悲劇と殺人を巻き起こしていく。
お題小説
ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
ある時、瀕死の状態で助けられた青年は、自分にまつわる記憶の一切を失っていた…
やがて、青年は自分を助けてくれたどこか理由ありの女性と旅に出る事に…
行く先々で出会う様々な人々や奇妙な出来事… 波瀾に満ちた長編ファンタジーです。
※表紙画は水無月秋穂様に描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる