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忘れられない日
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(今年ももう13日も経ったのか…)
ふと目にしたカレンダーに、俺はそんなことを思った。
ついちょっと前には、新しい年だと浮かれていた者たちも今ではすっかり日常に戻っている。
俺の視線は、来週の数字で止まった。
今でも忘れられない1月24日…
そう、この日は紫織の誕生日だ。
結婚していた頃は、毎年プレゼントを買い、奮発した食事をして誕生日を祝った。
そのことを知ってる同僚には、「東郷さんは愛妻家だ」なんて冷やかされたものだ。
彼女の誕生日が近付くと、今でもどこか落ち着かない気分になってしまう。
街を歩いていて、彼女に似合いそうな服やアクセサリーが目についてしまい、ふと足を止めてしまったり…
馬鹿だな…
もう彼女とは、他人同士になってしまったっていうのに…
たとえば、花を贈るだけでも、彼女は嫌がるだろうか?
別れたからって…他人同士になったからって、誕生日を祝ってはいけないという法律があるわけじゃない。
幸い、今年は大川さんにもらったお年玉もある。
これで買えるだけの薔薇を彼女に贈ったら、彼女は…
「あぁーーー
何、考えてんだ!」
未練がましい自分自身を振り払うように、俺は大きな声を出した。
(紫織に迷惑をかけちゃいけない。
1月24日は封印だ!)
俺は、マジックで24日に×印を付けた。
本当に馬鹿だ。
こんなことをしたら、なおさら24日が忘れられなくなるのに…
愚かで憐れな自分自身に、深い溜め息が漏れた。
ふと目にしたカレンダーに、俺はそんなことを思った。
ついちょっと前には、新しい年だと浮かれていた者たちも今ではすっかり日常に戻っている。
俺の視線は、来週の数字で止まった。
今でも忘れられない1月24日…
そう、この日は紫織の誕生日だ。
結婚していた頃は、毎年プレゼントを買い、奮発した食事をして誕生日を祝った。
そのことを知ってる同僚には、「東郷さんは愛妻家だ」なんて冷やかされたものだ。
彼女の誕生日が近付くと、今でもどこか落ち着かない気分になってしまう。
街を歩いていて、彼女に似合いそうな服やアクセサリーが目についてしまい、ふと足を止めてしまったり…
馬鹿だな…
もう彼女とは、他人同士になってしまったっていうのに…
たとえば、花を贈るだけでも、彼女は嫌がるだろうか?
別れたからって…他人同士になったからって、誕生日を祝ってはいけないという法律があるわけじゃない。
幸い、今年は大川さんにもらったお年玉もある。
これで買えるだけの薔薇を彼女に贈ったら、彼女は…
「あぁーーー
何、考えてんだ!」
未練がましい自分自身を振り払うように、俺は大きな声を出した。
(紫織に迷惑をかけちゃいけない。
1月24日は封印だ!)
俺は、マジックで24日に×印を付けた。
本当に馬鹿だ。
こんなことをしたら、なおさら24日が忘れられなくなるのに…
愚かで憐れな自分自身に、深い溜め息が漏れた。
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