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「俊雄さん…ご、ごめんなさい。」

「どうしたの?何を謝ってるの?」

「……聞いたんでしょう?」

「聞いたって…あぁ、君が不倫していたこと?」

あまりにストレートに言われて、私は何も言えなくなった。
柴田の表情は変わらない。
その事が、逆に怖かった。



「あ、あの…私…」

「知ってたよ。」

「……え?」

「君が不倫してたこと。」



柴田はまだ微笑んでいる。
本当だろうか?
私をからかってるんだろうか?



「君は隠そうとしてたみたいだけど、去年から気付いてたよ。」

そんなまさか…



「だ、だったら、なぜ…」

私は掠れる声を絞り出した。



「なぜって、君は家庭を壊すつもりはなかったんでしょう?」

私は怖々頷いた。



「だったら、僕は何も言うことはないからね。
でも、奥さんにバレたのは良くなかったね。
しかも、奥さんは君の友達だったらしいね。さすがにそれはまずいよ。」

柴田は淡々と、まるで他人の話のように話した。
私には、柴田の真意が全然わからず、とにかく何か薄ら寒いものを感じていた。
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