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壺の向こうへ

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 「じゃあ、じいちゃん…
行って来るね。
 来週には戻るから…」

 「あぁ、気を付けてな。
 美戎…元気を出すんじゃぞ。」

じいちゃんに見送られ、俺と美戎とゆかりさんは、壺を通って、あの世界に向かった。
 美戎には天国のことは話さず、ただ、ひさしぶりに遊びに行こうとだけ言って誘い出した。
 誘い出すのがこれまた大変で、行きたくないとごねる美戎に、服やら新しいスマホやらを買い与え、やっとその気になってくれたんだ。



 「おぅっ!」


 突然現れた俺達を見て、部屋にいた金兵衛さんが目を丸くした。



 「お久しぶりです、金兵衛さん。」

 「お、おひさしぶりです。
 今回はまたなにか?」

 「連休なんで、観光に来ました。」

 「そうですか…それはそれは……」



 天狗のかごを使えば、ミマカさんの所まではあっという間だ。
 今夜は、そこで泊めてもらって、明日からは美戎を天国に行かせて…
その間、俺とゆかりさんは子供達に会いに行くつもりだ。

 
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