188 / 217
side シュウ
4
しおりを挟む
*
「そんな馬鹿な……」
雅樹の話は衝撃的だった。
そもそも、ひかりが雅樹に声をかけてつきあいが始まったということ自体、とても驚きだったが、ひかりがそんなことをしたのは俺がここあちゃんと浮気をしてるからだそうで…
俺やここあちゃんにとってはそんなものはただの遊びでしかないことはわかってるけど、ひかりはそれがどうしても辛くて、そんなことはなんでもないことだと思えるように、男に慣れるために雅樹に声をかけたっていうんだ。
(ありえない……)
「あなたがここあちゃんとそんな関係にさえならなければ、こんなことには…」
「ちょっと待てよ。
さっきも言ったが、俺は神に誓ってひかり一筋だ。
ここあちゃんと浮気なんてするわけないだろ。」
雅樹は俺がそう言っても疑わしい顔を崩さなかった。
「雅樹よ…シュウは見た目はこんなじゃが、ひかりに対しては本当に真面目なんじゃぞ。
それに、ここあちゃんも隼人君とはラブラブじゃから、いくら遊びと言ってもシュウと浮気なんてことはないと思うぞ。」
「じゃあ、お二人はひかりが嘘を吐いたとでも言うんですか!?
僕は絶対にそんな風には思えません。
ひかりはそんな嘘言う筈ありません!」
「当たり前だ!
ひかりがそんなつまらない嘘を吐くような奴じゃないことくらい、俺だってよくわかってる!」
「だとすれば……」
賢者の低い声に、俺と雅樹の視線は同時に賢者に注がれた。
「……ひかりが勘違いをしたんじゃな…」
賢者はそう言って、したり顔で何度も頷く。
「勘違いって…爺さん…
どういうことなんだ!?」
「……ひかりは、なんらかのことからおまえとここあちゃんが浮気をしていると思いこんだんじゃ。
おまえさん…何かそういう素振りを見せた事はなかったのか?
勘違いをされそうなことを…」
「そんなこと、あるはずないだろ!」
俺は叫んだ。
だって、俺には本当に思い当たることなんて何もなかったんだから。
「そんな馬鹿な……」
雅樹の話は衝撃的だった。
そもそも、ひかりが雅樹に声をかけてつきあいが始まったということ自体、とても驚きだったが、ひかりがそんなことをしたのは俺がここあちゃんと浮気をしてるからだそうで…
俺やここあちゃんにとってはそんなものはただの遊びでしかないことはわかってるけど、ひかりはそれがどうしても辛くて、そんなことはなんでもないことだと思えるように、男に慣れるために雅樹に声をかけたっていうんだ。
(ありえない……)
「あなたがここあちゃんとそんな関係にさえならなければ、こんなことには…」
「ちょっと待てよ。
さっきも言ったが、俺は神に誓ってひかり一筋だ。
ここあちゃんと浮気なんてするわけないだろ。」
雅樹は俺がそう言っても疑わしい顔を崩さなかった。
「雅樹よ…シュウは見た目はこんなじゃが、ひかりに対しては本当に真面目なんじゃぞ。
それに、ここあちゃんも隼人君とはラブラブじゃから、いくら遊びと言ってもシュウと浮気なんてことはないと思うぞ。」
「じゃあ、お二人はひかりが嘘を吐いたとでも言うんですか!?
僕は絶対にそんな風には思えません。
ひかりはそんな嘘言う筈ありません!」
「当たり前だ!
ひかりがそんなつまらない嘘を吐くような奴じゃないことくらい、俺だってよくわかってる!」
「だとすれば……」
賢者の低い声に、俺と雅樹の視線は同時に賢者に注がれた。
「……ひかりが勘違いをしたんじゃな…」
賢者はそう言って、したり顔で何度も頷く。
「勘違いって…爺さん…
どういうことなんだ!?」
「……ひかりは、なんらかのことからおまえとここあちゃんが浮気をしていると思いこんだんじゃ。
おまえさん…何かそういう素振りを見せた事はなかったのか?
勘違いをされそうなことを…」
「そんなこと、あるはずないだろ!」
俺は叫んだ。
だって、俺には本当に思い当たることなんて何もなかったんだから。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する
くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。
世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。
意味がわからなかったが悲観はしなかった。
花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。
そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。
奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。
麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。
周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。
それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。
お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。
全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。
惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
転生した復讐女のざまぁまでの道のり 天敵は自分で首を絞めていますが、更に絞めて差し上げます
はいから
ファンタジー
冴えない地味女は長年幼馴染の天敵・愛理に食いモノにされていた。
お気に入りの人形、彼氏、そして異世界転生したいからというトンデモナイ妄想のせいで命まで!
神様の眷属を無意識のうちに助けていて、神様が大分過保護な特典をつけ転生した。
天敵はこの世界に主人公はいないと思っているので、関わらずに今世は自分の為に生きようとしていたが、王子の婚約者候補の集いで天敵と再会。
前世と全く変わらないクズは、主人公の従者に目を付けた。
また自分から奪おうとするのかと、主人公は復讐(お仕置き)することを決意する。
前世での鬱憤、ここで倍返ししてやる!!!
※ざまぁまでかなり長いです。ざまぁだけ読みたい方は、Side天敵と第2章からを推奨します。
ある事情で病弱な主人公が同じ症状の王族を救ったり、獣人や異民族を迫害から守り知らない間に慕われたり、新しい食や道具を探訪したり、神玉と言われる魔石のようなものの研究をしたり・・・。
最終地点「ざまぁ」までに、無意識のうちに善行を積んでいく!!
意識しなくても天敵を追い詰めていく主人公と、全てが空回っているがそれに気づかない天敵。
そして病弱な主人公に対して過保護気味な周りの物語。
※閑話は視点が主人公以外 or 主人公が出てこない話です。
※旧タイトル:転生した元地味女の復讐(1/30変更しました。)
※現在少女編です。第一章は主人公幼女です。
【完結】あなたの思い違いではありませんの?
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
複数の物語の登場人物が、一つの世界に混在しているなんて?!
「カレンデュラ・デルフィニューム! 貴様との婚約を破棄する」
お決まりの婚約破棄を叫ぶ王太子ローランドは、その晩、ただの王子に降格された。聖女ビオラの腰を抱き寄せるが、彼女は隙を見て逃げ出す。
婚約者ではないカレンデュラに一刀両断され、ローランド王子はうろたえた。近くにいたご令嬢に「お前か」と叫ぶも人違い、目立つ赤いドレスのご令嬢に絡むも、またもや否定される。呆れ返る周囲の貴族の冷たい視線の中で、当事者四人はお互いを認識した。
転生組と転移組、四人はそれぞれに前世の知識を持っている。全員が違う物語の世界だと思い込んだリクニス国の命運はいかに?!
ハッピーエンド確定、すれ違いと勘違い、複数の物語が交錯する。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/11/19……完結
2024/08/13……エブリスタ ファンタジー 1位
2024/08/13……アルファポリス 女性向けHOT 36位
2024/08/12……連載開始
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
~前世の知識を持つ少女、サーラの料理譚~
あおいろ
ファンタジー
その少女の名前はサーラ。前世の記憶を持っている。
今から百年近くも昔の事だ。家族の様に親しい使用人達や子供達との、楽しい日々と美味しい料理の思い出だった。
月日は遥か遠く流れて過ぎさり、ー
現代も果てない困難が待ち受けるものの、ー
彼らの思い出の続きは、人知れずに紡がれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる