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「ねぇ、一日中部屋に引きこもってるのも気分が晴れないじゃない。せめて、お城の中を散歩出来ないかしら?」

朝食の時に、私はメイドさんに訊ねてみた。



「では、ロザリー様にお伺いしてみます。」

それは期待が出来るとも出来ないともわからない返事だった。
お城の中を歩き回れるようになったら、あの部屋にも行ける。
そして、鏡に飛び込めば…



そんなことを心の中で考えながら、私は何気ないふりで朝食を続けた。



とにかく、何か手立てを考えないと。
このまま生贄になんてされてたまるもんですか!



しばらくすると、メイドさんが戻ってきた。



「少しなら出歩いても良いとのことです。」



やったね!
これで、あの部屋を確認出来る!
髪を結い上げられ、すごく滑らかな生地のドレスを着せられた。
いつ生贄にされるのかはわからないけど、それまでは至れり尽くせりってこと?
まぁ、確かに気分は悪くない。
ただの事務員から、王女様にでもなったような感じかな?



「では参りましょうか?」

「はい。」

ついに、この部屋を出られる!
って、まだ一日いただけだけど。
私は浮かれた気分で、部屋を出た。




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