29 / 40
鳥のグッズ(やぎ座)
1
しおりを挟む
「カトリーヌ、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう、エドガー。」
テーブルの上には食べきれない程のご馳走と大輪の薔薇の花。
私の首には、深い海のような大粒のサファイアのネックレスが飾られた。
私がここへ来て三度目の誕生日…
私はこの日が一番嫌い。
無理な祈りとわかりつつ、もう来ないでといつも天に願う…
*
「ご一緒して構いませんか?」
「え…?あ……あぁ、どうぞ。」
仕事の帰り、ふと立ち寄ったカフェでぼんやりしている所に声をかけて来たのがエドガーだった。
一目で育ちの良さの感じられるその所作と、穏やかで端正な顔立ち…
身に付けているものがどれも高価なものだということも私には一目でわかった。
他愛ない会話も、彼という存在のお陰で楽しく感じられた。
カフェを出て、彼が連れて行ってくれたのは、私が一度も入ったことのない高級なレストランだった。
見たこともないような料理が並び、舌をとろけさせるようなワインに私は酔い知れた。
彼は私をとても大切に扱ってくれたし、私は思い掛けないこの出会いに夢心地だった。
それからも、私はエドガーと度々会うようになった。
自分で言うのもなんだけど、私は子供の頃から美人だともてはやされ、男性から言い寄られることも多かった。
だけど、彼ほど素敵な男性は一人もいなかった。
見た目だけではなく、様々な面で彼は誰よりも秀でており、完璧な男性と思えた。
こんな人と結婚出来たらどれほど幸せになれるだろう…私はいつしかそんなことを想像するようになっていた。
そんなある日、エドガーは別荘に行こうと言い出した。
ちょうどバカンスの時期でもあり、私は二つ返事で承諾した。
*
「まぁ、なんて素敵な場所なの…!」
そこは深い森を抜けた先にある古城だった。
あたりの土地もすべてエドガーのものらしく、彼は私が思い描いていたよりも遥かにお金持ちだということもわかった。
どこを見ても出るのは、ただただ、ため息ばかり…
本来なら言葉を交わすことさえなかったであろう、私とは違う世界に住む人と、私は今これほど近くにいる。
そのことが自分でも信じられない想いだった。
一体、幾部屋あるのかわからない城の中を歩いているうちに、私はあることに気が付いた。
どの部屋にも小鳥の柄の敷き物が敷かれていたり、カーテンの柄に小鳥が描かれていたり、小鳥の置きものがあったりするのだ。
(そういえば…)
私は今頃になって思い出した。
彼の靴下に鳥の柄がついていたり、ネクタイピンに鳥が使われていたことに。
(そうか…エドガーは小鳥が好きなのね…
優しい彼らしい趣味だわ…)
そんなことですら、彼への印象が良くなってしまう。
私は、いつの間にかすっかり彼の虜となっていた。
「ありがとう、エドガー。」
テーブルの上には食べきれない程のご馳走と大輪の薔薇の花。
私の首には、深い海のような大粒のサファイアのネックレスが飾られた。
私がここへ来て三度目の誕生日…
私はこの日が一番嫌い。
無理な祈りとわかりつつ、もう来ないでといつも天に願う…
*
「ご一緒して構いませんか?」
「え…?あ……あぁ、どうぞ。」
仕事の帰り、ふと立ち寄ったカフェでぼんやりしている所に声をかけて来たのがエドガーだった。
一目で育ちの良さの感じられるその所作と、穏やかで端正な顔立ち…
身に付けているものがどれも高価なものだということも私には一目でわかった。
他愛ない会話も、彼という存在のお陰で楽しく感じられた。
カフェを出て、彼が連れて行ってくれたのは、私が一度も入ったことのない高級なレストランだった。
見たこともないような料理が並び、舌をとろけさせるようなワインに私は酔い知れた。
彼は私をとても大切に扱ってくれたし、私は思い掛けないこの出会いに夢心地だった。
それからも、私はエドガーと度々会うようになった。
自分で言うのもなんだけど、私は子供の頃から美人だともてはやされ、男性から言い寄られることも多かった。
だけど、彼ほど素敵な男性は一人もいなかった。
見た目だけではなく、様々な面で彼は誰よりも秀でており、完璧な男性と思えた。
こんな人と結婚出来たらどれほど幸せになれるだろう…私はいつしかそんなことを想像するようになっていた。
そんなある日、エドガーは別荘に行こうと言い出した。
ちょうどバカンスの時期でもあり、私は二つ返事で承諾した。
*
「まぁ、なんて素敵な場所なの…!」
そこは深い森を抜けた先にある古城だった。
あたりの土地もすべてエドガーのものらしく、彼は私が思い描いていたよりも遥かにお金持ちだということもわかった。
どこを見ても出るのは、ただただ、ため息ばかり…
本来なら言葉を交わすことさえなかったであろう、私とは違う世界に住む人と、私は今これほど近くにいる。
そのことが自分でも信じられない想いだった。
一体、幾部屋あるのかわからない城の中を歩いているうちに、私はあることに気が付いた。
どの部屋にも小鳥の柄の敷き物が敷かれていたり、カーテンの柄に小鳥が描かれていたり、小鳥の置きものがあったりするのだ。
(そういえば…)
私は今頃になって思い出した。
彼の靴下に鳥の柄がついていたり、ネクタイピンに鳥が使われていたことに。
(そうか…エドガーは小鳥が好きなのね…
優しい彼らしい趣味だわ…)
そんなことですら、彼への印象が良くなってしまう。
私は、いつの間にかすっかり彼の虜となっていた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる