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万歩計(さそり座)
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「あのバス停から15分くらいの所らしいんだよ。」
「ヒントは少ないけど、きっとみつかるわよ!」
私達は、昔話をしながらそのお店を探して歩いた。
十年のブランクがあるとは思えない程に、私達の話は弾んだ。
いや、当時よりも大人になったせいか、それほど相手を意識する事もなく、自然に会話が出来たのかもしれない。
南君と話してるのはとても楽しく、時が経つのも忘れる程だった。
だけど、肝心の探してるお店は一向にみつからない。
「わぁ、大変だ。
もう、こんな時間だよ!」
時計を見るともう小一時間程、歩き回ってることに気が付いた。
このままではらちがあかないと、たまたま通りがかった人に尋ねてみると、その場所はあっさりとわかった。
それは、もうずいぶん前に通り過ぎた場所だった。
「完全に見逃してたね…」
「これじゃあ、普通のお宅と見分けが付かないもの。
みつからないはずだわ…」
そのお店のビーフシチューは、本当にほっぺたが落ちそうなくらい美味しかったし、奥さんはとても優しく感じの良い人だったから、ここに間違いないはずだ。
お店の名前はキューピッド。
店のあちこちに天使の絵や置き物があるし、こんなに覚えやすい店名をどうして南君の友達は忘れたんだろう?
「今日は本当に楽しかったよ。
つきあってくれて、ありがとう!
……あの…これ。」
別れ際、私は南君から携帯の番号を渡された。
こんなことをされたのは何年ぶりのことだろう…
なんとなく照れ臭いような嬉しいような心地良い気分に浸りながら、私は家路に着いた。
家に着いて、いつものように、万歩計をチェックするとそこに表示されていたのは20373歩。
えーーーーーっ!
そんなに歩いたの?
初めての10000歩超え…それも倍の数字に私は我が目を疑った。
(楽しいと、歩くことさえ全く苦にならないんだな…)
もう一度、見直したその数字に私の頬は不意に緩んだ。
(20373…ミナミ…)
やっぱり、これは神様からの贈り物だったんだ!
私は、早速、教えてもらった南君の携帯の番号に電話をかけた。
「ヒントは少ないけど、きっとみつかるわよ!」
私達は、昔話をしながらそのお店を探して歩いた。
十年のブランクがあるとは思えない程に、私達の話は弾んだ。
いや、当時よりも大人になったせいか、それほど相手を意識する事もなく、自然に会話が出来たのかもしれない。
南君と話してるのはとても楽しく、時が経つのも忘れる程だった。
だけど、肝心の探してるお店は一向にみつからない。
「わぁ、大変だ。
もう、こんな時間だよ!」
時計を見るともう小一時間程、歩き回ってることに気が付いた。
このままではらちがあかないと、たまたま通りがかった人に尋ねてみると、その場所はあっさりとわかった。
それは、もうずいぶん前に通り過ぎた場所だった。
「完全に見逃してたね…」
「これじゃあ、普通のお宅と見分けが付かないもの。
みつからないはずだわ…」
そのお店のビーフシチューは、本当にほっぺたが落ちそうなくらい美味しかったし、奥さんはとても優しく感じの良い人だったから、ここに間違いないはずだ。
お店の名前はキューピッド。
店のあちこちに天使の絵や置き物があるし、こんなに覚えやすい店名をどうして南君の友達は忘れたんだろう?
「今日は本当に楽しかったよ。
つきあってくれて、ありがとう!
……あの…これ。」
別れ際、私は南君から携帯の番号を渡された。
こんなことをされたのは何年ぶりのことだろう…
なんとなく照れ臭いような嬉しいような心地良い気分に浸りながら、私は家路に着いた。
家に着いて、いつものように、万歩計をチェックするとそこに表示されていたのは20373歩。
えーーーーーっ!
そんなに歩いたの?
初めての10000歩超え…それも倍の数字に私は我が目を疑った。
(楽しいと、歩くことさえ全く苦にならないんだな…)
もう一度、見直したその数字に私の頬は不意に緩んだ。
(20373…ミナミ…)
やっぱり、これは神様からの贈り物だったんだ!
私は、早速、教えてもらった南君の携帯の番号に電話をかけた。
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