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恋
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*
それからの数日間は瞬く間に過ぎ去った。
イヴの家の片付けが主な仕事だったが、これからの旅に備えての買い物や挨拶回り等、毎日朝早くから暗くなるまでジュリアンはイヴを連れて駆け回った。
そして、出発の前日、町の教会で送別会が開かれた。
町の人々は皆一様に二人に祝いの言葉を述べる。
「ジュリアン、イヴ…これは町の皆からの気持ちだ。
受けとってくれ。」
ロナウドは、金貨が入っていると思われる小さな皮袋を、ジュリアンの前に差し出した。
「えっ!そ、そんなもの…俺…」
「あんたにやるんじゃない。
イヴのために遣ってくれ。」
「イヴのことを頼んだよ!」
「たまにはここにも遊びに来ておくれよ。」
「イヴ、幸せになるんだよ!」
どの顔も、皆、嬉しそうな笑顔を浮かべ、二人のことを心から祝福していることが感じられた。
「ありがとう、みんな…」
「ありがとうございます。」
二人は、町の人々の温かい気持ちに胸を熱くした。
*
次の日、まだ夜が明けきらないうちにジュリアンとイヴは町を離れた。
見送られると辛くなるから、早いうちに出発したいというイヴのたっての希望からだった。
「イヴ…無理しなくて良いんかだらな。
あんた、そんなに遠くまで出歩いたことはないんだろ?
疲れたら言ってくれよ。」
「ありがとう、ジュリアンさん。
でも、そんなに心配しないで。
私、目は見えないけど、身体は弱くないんですよ。」
「わかってるよ。
でも、荷物を持って歩くってのはけっこう疲れるからな。」
「荷物はほとんどジュリアンさんが持って下さってるじゃないですか。
私、もっと持てますよ。」
「俺は、こういうことは慣れてんだ。
気にすんな。」
徒歩でいくつかの町を過ぎ、そして、港のある町から船に乗る。
港のある町までは、旅慣れたジュリアンなら三日程で行ける道程だということだったが、イヴのことを考えると四~五日はかかるだろうとジュリアンは考えていた。
それからの数日間は瞬く間に過ぎ去った。
イヴの家の片付けが主な仕事だったが、これからの旅に備えての買い物や挨拶回り等、毎日朝早くから暗くなるまでジュリアンはイヴを連れて駆け回った。
そして、出発の前日、町の教会で送別会が開かれた。
町の人々は皆一様に二人に祝いの言葉を述べる。
「ジュリアン、イヴ…これは町の皆からの気持ちだ。
受けとってくれ。」
ロナウドは、金貨が入っていると思われる小さな皮袋を、ジュリアンの前に差し出した。
「えっ!そ、そんなもの…俺…」
「あんたにやるんじゃない。
イヴのために遣ってくれ。」
「イヴのことを頼んだよ!」
「たまにはここにも遊びに来ておくれよ。」
「イヴ、幸せになるんだよ!」
どの顔も、皆、嬉しそうな笑顔を浮かべ、二人のことを心から祝福していることが感じられた。
「ありがとう、みんな…」
「ありがとうございます。」
二人は、町の人々の温かい気持ちに胸を熱くした。
*
次の日、まだ夜が明けきらないうちにジュリアンとイヴは町を離れた。
見送られると辛くなるから、早いうちに出発したいというイヴのたっての希望からだった。
「イヴ…無理しなくて良いんかだらな。
あんた、そんなに遠くまで出歩いたことはないんだろ?
疲れたら言ってくれよ。」
「ありがとう、ジュリアンさん。
でも、そんなに心配しないで。
私、目は見えないけど、身体は弱くないんですよ。」
「わかってるよ。
でも、荷物を持って歩くってのはけっこう疲れるからな。」
「荷物はほとんどジュリアンさんが持って下さってるじゃないですか。
私、もっと持てますよ。」
「俺は、こういうことは慣れてんだ。
気にすんな。」
徒歩でいくつかの町を過ぎ、そして、港のある町から船に乗る。
港のある町までは、旅慣れたジュリアンなら三日程で行ける道程だということだったが、イヴのことを考えると四~五日はかかるだろうとジュリアンは考えていた。
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