天使からの贈り物・恋

ルカ(聖夜月ルカ)

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『本当にありがとう。
これから、ジュリアンのことをよろしく頼む。
なに、急ぐことはないんだ。
これから少しずつゆっくりとだな…』

「ジュリアンさん…!
突然こんなことを言って驚かれるかもしれませんが…
私……これを機に一からやり直したいんです。
ここには良い事もいやなことも……とにかく、いろいろな思い出がありすぎて……
だから、私……ここを出たいんです。
どこでも良い…あなたの故郷でも知らない町でもどこだって良いから、私をどこか遠くへ連れて行ってもらえないでしょうか?」

エレスの言葉にも耳を貸さず、唐突に心の内を吐き出したイヴに、二人は驚き、イヴの顔をじっとみつめた。



「……す、すみません。
だめですよね、こんなこと…」

二人の反応に、イヴは恥ずかしそうに顔を伏せた。



「だめなことなんてない。
あんたがそんなことを考えてたなんて思ってもみなかったから、ちょっと驚いただけだ。
……わかったよ。
出来るだけ早くに準備するから待っててくれ。」

「ほ、本当ですか、ジュリアンさん!?」

イヴは嬉しさと驚きの混じった顔をジュリアンの方に向けた。



「あぁ…本当だ。」

ジュリアンは、微笑みながらイヴの手を優しく握り締めた。







「ほ、本当に本当なのか!?」

ロナウドは、ジュリアンの話が信じられないとでもいうように、目を丸くして声を上げる。



「俺もまだ信じられないような気分なんだけど、本当なんだ。
嘘だと思うなら本人に聞いてみてくれ。
それで、イヴは、俺と一緒にこの町を出たいと言ってる。
どこでも良いから遠くへ行きたいどうなんだ。
……イヴは、きっとここには辛い思い出がありすぎたんだろうな。
だけど、だからといって一人で見知らぬ土地へ行く勇気はない。
……もしかしたら、その想いを叶えるために俺を受け入れてくれたのかもしれない。
そうじゃなきゃ、俺のことなんて……」

「……あんた、意外と自分に自信がないんだな。
俺は、あんたのことをそう詳しく知ってるわけじゃないけど…
あんたが悪い人でないことはよくわかる。
イヴもきっとそれを感じたんだ。
だから、あんたと一緒に人生を歩んで行こうと決めたんだと思うぜ。
あんたとなら、きっとイヴは幸せになれる。
イヴのこと…よろしく頼んだぜ!」

そう言いながら、ロナウドは満足そうな微笑みを浮かべ、身を乗り出してジュリアンの肩を叩いた。
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