天使からの贈り物・恋

ルカ(聖夜月ルカ)

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「そうだったんですか…
あ……もしかしたら、私、そのことでジュリアンさんにご迷惑をおかけしていたんですか?
ジュリアンさんはそれで気を悪くされて…?」

『いいや、むしろ、その逆だ。
……イヴ、率直に尋ねるが、君はジュリアンのことをどう思っている?
あいつのことが嫌いか好きか、どっちだ?
ジュリアンは…おそらく君にひかれているのだと思う…』

あまりにもストレートなエレスの質問に、イヴは言葉を失った。



『……やはり無理か…
それも当然だ…ジュリアンは、心根はとても良い奴だが、それだけでは…』

「ち、違います!
そうじゃありません。
ただ…私は…こんな……」

『……目のことを言っているのか?
ジュリアンはそんなことを気にするような者ではない。
そんな事は、君もわかっているものだと思っていた。』

エレスの言葉にイヴは悲しげな顔で微笑んだ。



「エレスさん、ジュリアンさんが良い人なのは私にもよくわかっています。
でも……ミリアムだって、私の元から去って行ったんです。
『どんなことがあったって、僕は一生君を愛し抜く…』
彼が言ってくれたその言葉は私の心の支えでしたが、やっぱりそんなの幻想でした…」

イヴの顔に悲しげな笑みが浮かぶ。



『辛いことを思い出させてすまない。
……だが、世の中には決して人を裏切らない者もいるのだよ…ほんのわずかではあるがな…
あのジュリアンがそうだ。
頭は悪い、がさつで下品で、酒は飲むし、朝寝坊で……
だが、あの男は決して君を裏切ることはないだろう。
たとえどんなことがあっても、だ。』

「エレスさん……あなたはジュリアンさんを心から信頼なさってるんですね。」

『……悔しいことだが……その通りだ。』

イヴは、小さく微笑みそのまま顔を伏せた。



『……どうかしたのか?』

「……エレスさん、私…自信がないんです。
私に、一体、何が出来るのか…
私……」

『……イヴ…返事はすぐにとは言わない。
時間をかけてゆっくりと考えてみてほしい。
情熱的な気持ちがなくても良いんだ。
あいつといればきっと君は穏やかに暮らせると思う。
だから、この先の人生をあいつと一緒に歩む気があるかどうかを…ゆっくり考えてほしいんだ。』

「……わかりました。」

『突然、こんな話をしてしまなかったな。
……では、返事を待っている。』

そう言うと、エレスはイヴの家を後にした。

 
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