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恋
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「ば、ば、ば、馬鹿なことを言うな!
お、俺はこう見えてもけっこう年だぞ!
イヴよりずいぶん年上なんだぞ!
それなのに、いまだに落ちつきもせずいろんな所を放浪しては石ばっかり掘ってるんだ。
金だってほとんどねぇ。
その日暮らしみたいなもんだぞ。
子供の時からおまえは馬鹿だって良く言われてたし、まぁ、特別面白い顔ってわけじゃあないがハンサムだなんて言われたこともない。
品がないとも言われるし、酒飲みだし…
そんな俺のことをイヴが好きになんかなるわけないだろ!」
自分の欠点を並べ立て、真っ赤になって強く否定するジュリアンに、ロナウドは思わず噴き出した。
「……あんたが良い人だってことはよくわかったよ。
でも、イヴの気持ちはともかく…あんたはどうなんだ?
あんたはイヴのことが好きなのか?」
「す、す、す、好きかって!?
そ、そ、そ、そりゃあ好きだが…そ、そ、それは友達とか妹みたいな気持ちで…
だ、だいたい、俺なんかには、イヴを好きになる資格が…」
ジュリアンの顔はますます赤さを増し、首までが真っ赤に染まり、ジュリアンはグラスの酒を一気にあおり、さらにもう一杯飲み干した。
「あ~あ、こりゃ駄目だ。
あんた、そんな初心でどうすんだ。
それにな…資格なんて考える事ないんだ。
全力を尽くして好きな女を幸せにしよう、守っていこうって思う気持ちさえありゃあ、それで良いんだ。
あんたは誠実そうだし……
どうだ?ここらで性根を入れ替えて、本気でイヴのことを考えてみちゃあ?
石掘りなんかやめて、真面目に働いてさ。
あんたがそうする気なら、俺達が仕事の世話くらいしてやるぜ!」
ロナウドの突然の提案にジュリアンは面食らって困惑し、ぽかんと口を開けてロナウドをみつめたまま固まった。
「……お、おい、あんた、大丈夫か!?」
ジュリアンの目の前でロナウドが動かす手にも反応せず、ジュリアンの瞳はどこか遠い所をみつめていた。
お、俺はこう見えてもけっこう年だぞ!
イヴよりずいぶん年上なんだぞ!
それなのに、いまだに落ちつきもせずいろんな所を放浪しては石ばっかり掘ってるんだ。
金だってほとんどねぇ。
その日暮らしみたいなもんだぞ。
子供の時からおまえは馬鹿だって良く言われてたし、まぁ、特別面白い顔ってわけじゃあないがハンサムだなんて言われたこともない。
品がないとも言われるし、酒飲みだし…
そんな俺のことをイヴが好きになんかなるわけないだろ!」
自分の欠点を並べ立て、真っ赤になって強く否定するジュリアンに、ロナウドは思わず噴き出した。
「……あんたが良い人だってことはよくわかったよ。
でも、イヴの気持ちはともかく…あんたはどうなんだ?
あんたはイヴのことが好きなのか?」
「す、す、す、好きかって!?
そ、そ、そ、そりゃあ好きだが…そ、そ、それは友達とか妹みたいな気持ちで…
だ、だいたい、俺なんかには、イヴを好きになる資格が…」
ジュリアンの顔はますます赤さを増し、首までが真っ赤に染まり、ジュリアンはグラスの酒を一気にあおり、さらにもう一杯飲み干した。
「あ~あ、こりゃ駄目だ。
あんた、そんな初心でどうすんだ。
それにな…資格なんて考える事ないんだ。
全力を尽くして好きな女を幸せにしよう、守っていこうって思う気持ちさえありゃあ、それで良いんだ。
あんたは誠実そうだし……
どうだ?ここらで性根を入れ替えて、本気でイヴのことを考えてみちゃあ?
石掘りなんかやめて、真面目に働いてさ。
あんたがそうする気なら、俺達が仕事の世話くらいしてやるぜ!」
ロナウドの突然の提案にジュリアンは面食らって困惑し、ぽかんと口を開けてロナウドをみつめたまま固まった。
「……お、おい、あんた、大丈夫か!?」
ジュリアンの目の前でロナウドが動かす手にも反応せず、ジュリアンの瞳はどこか遠い所をみつめていた。
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