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「あぁ、確かにここは星が綺麗だね。
手を伸ばせば星に手が届きそうだ。」
『そんなわけないだろ。』
僕たちは、丘の中程に腰を降ろした。
本当に綺麗だ。
澄み切った夜の空気の中に、星々が煌めいている。
しかも、広い丘には僕とロジャーだけだ。
こんな所なら、流れ星のひとつや二つ、見られるかもしれない。
そしたら、星に願いをかけるんだ。
どうか、サーシャが助かりますように、って。
ロジャーは、関心がないのか、僕の傍らで丸くなっていた。
僕も、体を倒した。
寝そべると、さらに星が近くに感じられるようだった。
(サーシャ……)
流れ出た涙を、ロジャーに気付かれないようにそっと拭う。
星をみつめていると、知らないうちに瞼が重くなって来た。
今日は朝早くに出発し、山を登ったりもしたから疲れたんだろう。
(え?)
そんなことを考えてうとうとしていた時、僕は不意に流れ星のようなものをみつけた。
「あ!」
流れ星はぐんぐん近付いて来る。
なんだか、様子がおかしい。
鼓動が速くなる。
「ロジャー!逃げるんだ!
早く!」
『え?なんだって?』
「あっ!!」
空から小石くらいの小さなものが、信じられないような速度で落ちて来て…
立ち上がったばかりのロジャーの体を貫通した。
「ロジャー!!」
「あぁ、確かにここは星が綺麗だね。
手を伸ばせば星に手が届きそうだ。」
『そんなわけないだろ。』
僕たちは、丘の中程に腰を降ろした。
本当に綺麗だ。
澄み切った夜の空気の中に、星々が煌めいている。
しかも、広い丘には僕とロジャーだけだ。
こんな所なら、流れ星のひとつや二つ、見られるかもしれない。
そしたら、星に願いをかけるんだ。
どうか、サーシャが助かりますように、って。
ロジャーは、関心がないのか、僕の傍らで丸くなっていた。
僕も、体を倒した。
寝そべると、さらに星が近くに感じられるようだった。
(サーシャ……)
流れ出た涙を、ロジャーに気付かれないようにそっと拭う。
星をみつめていると、知らないうちに瞼が重くなって来た。
今日は朝早くに出発し、山を登ったりもしたから疲れたんだろう。
(え?)
そんなことを考えてうとうとしていた時、僕は不意に流れ星のようなものをみつけた。
「あ!」
流れ星はぐんぐん近付いて来る。
なんだか、様子がおかしい。
鼓動が速くなる。
「ロジャー!逃げるんだ!
早く!」
『え?なんだって?』
「あっ!!」
空から小石くらいの小さなものが、信じられないような速度で落ちて来て…
立ち上がったばかりのロジャーの体を貫通した。
「ロジャー!!」
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