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本編

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『それで、何か手がかりはみつかったのかい?』

「君は、何もかも知っているのか?」

『全部ではないけれど、だいたいのことは、ね。』

「僕の心の中が読めるのか?」

『必要なことはね。』



心の中をのぞかれるのは、たとえ相手が猫でもあまり気持ちの良いことではない。
そう思う反面、そんなことはもうどうでも良いようにも思えた。



「じゃあ、わかるだろ。
手がかりなんて、何も無い。
だから、次はどこへ行こうかと悩んでるんだ。」

『君は、お酒がのめるだろう?』

「そんなに強くは無いけどな。」

『酒場はいろいろな話が聞かれる。
もちろん、全てが正しいわけではないが、いい加減な話の中に、一つくらいは正しい情報もあるものさ。』

「酒場、か…」



昔はたまに友人たちと立ち寄ったものだ。
サーシャが病気になってからは、浴びるように飲んだこともある。
だけど、酒を飲むだけでは何の解決にもならない。
それを実感してからは、酒場に寄り付かないようになっていた。



だけど、確かに酒場では情報が入るのも間違いない。
取るに足りない馬鹿げた噂話も多いが、信ぴょう性がある物もあるかもしれない。



「わかったよ。一度、行ってみるよ。」
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