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本編

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「ロジャー、腹は減ってないか?
とはいっても、大したものは無いが。」

『そういうことは気にしなくて良い。
自分のことは自分でなんとかする。
なんせ、野良猫だからな。』

そうは言われても、そういうわけにもいかないだろう。
僕はこれから、彼の飼い主になるわけだ。
これからは、彼の食べるものもなんとかしてやらないと。
そういえば、僕は猫を飼ったことがない。



「ロジャー、君は何が好きなんだ?」

『そんなことは気にしなくて良い。』

「そうはいかない。
猫がどんなものを食べるのか、僕は本当に知らないんだ。」

『……なんでも食べる。虫でも草でもカエルでも。
なんせ僕は野良猫だからな。』



そういうことか…
彼は、野良猫だから、まともなものを食べたことが無いんだと、思い当たった。



(可哀想に…)



これからは、美味いものを食べさせてやろう。
猫ならきっと魚や肉が好きなはずだ。
昔、うちにいた犬はそういうものを好んで食べていた。
犬も猫もきっと、好きなものは似たようなものだろう。



僕は恐る恐る手を伸ばし、ロジャーの頭から背中にかけて撫でた。
野良猫の割には、毛並みが美しい。
何度か同じ動作を続けると、彼はゴロゴロと喉を鳴らした。
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