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我が家へ…
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(ねぇ、レヴ…西の塔の魔女の所にも寄っていこうよ!)
(……西の塔の魔女か…
懐かしいな。
そうだな、ジネットさんには知り合いだと言っておけば良いだろう…)
最初の足掛かりとなった「十字架を探せ」という言葉…
それを与えてくれた西の塔の魔女…
懐かしい想いがこみあげ、レヴは自然に足早になるのを止められなかった。
「レヴ、もうちょっとゆっくり行こうよ!
私達、あんたみたいに早く歩けないよ。」
「あ……すまなかった……」
それからレヴは速度を緩めてゆっくりと進んだ。
(おかしいね…確か、このあたりのはずだったんだけど…)
(……そうだな…)
西の塔の魔女の家があったと思われる場所には、何もなかった。
建物が建っていた痕跡さえないのだ。
最初は自分の思い違いかと思ったレヴだったが、サリーもこのあたりだというからにはやはり間違いないはずだと思い直したが、どれほど見渡してもそこにはなにもない。
「レヴさん、何か、お探しなんですか?」
レヴのそんな様子に気付いたヴェールが声をかけた。
「あぁ…このあたりに知り合いの家があったはずなのだが…」
「みつからないのですか?
何か目印のようなものはありませんでしたか?」
「いや……もう良い。
申し訳ないが、今夜は野宿ということになりそうだ。」
「そんなことなら全然かまいませんよ。」
(…レヴ…西の塔の魔女の家は、やっぱりあのあたりだよね?)
(あぁ…しかし、もう、あそこにはいないようだな…)
(どこに行ったんだろう?)
(……さっき、思い出したのだが……
以前、君が「西の塔」について尋ねたことがあっただろう?)
(え?…そんなこと、あったっけ?)
(あったぞ、西の塔とはどこにあるのかと君が尋ねたら、そんなものは人々が勝手に造り出したものだと言っていたではないか…)
(あ!思い出したよ!
自分には家なんてあってもなくてもどっちでも良いもんだって言ってたよね!)
(そうだ。
もしかしたら、あの家は私達のために用意されたものだったのではなかろうか?)
(なるほど!!
それで、今はもうないってことなんだね?)
レヴはゆっくりと頷いた。
(……西の塔の魔女か…
懐かしいな。
そうだな、ジネットさんには知り合いだと言っておけば良いだろう…)
最初の足掛かりとなった「十字架を探せ」という言葉…
それを与えてくれた西の塔の魔女…
懐かしい想いがこみあげ、レヴは自然に足早になるのを止められなかった。
「レヴ、もうちょっとゆっくり行こうよ!
私達、あんたみたいに早く歩けないよ。」
「あ……すまなかった……」
それからレヴは速度を緩めてゆっくりと進んだ。
(おかしいね…確か、このあたりのはずだったんだけど…)
(……そうだな…)
西の塔の魔女の家があったと思われる場所には、何もなかった。
建物が建っていた痕跡さえないのだ。
最初は自分の思い違いかと思ったレヴだったが、サリーもこのあたりだというからにはやはり間違いないはずだと思い直したが、どれほど見渡してもそこにはなにもない。
「レヴさん、何か、お探しなんですか?」
レヴのそんな様子に気付いたヴェールが声をかけた。
「あぁ…このあたりに知り合いの家があったはずなのだが…」
「みつからないのですか?
何か目印のようなものはありませんでしたか?」
「いや……もう良い。
申し訳ないが、今夜は野宿ということになりそうだ。」
「そんなことなら全然かまいませんよ。」
(…レヴ…西の塔の魔女の家は、やっぱりあのあたりだよね?)
(あぁ…しかし、もう、あそこにはいないようだな…)
(どこに行ったんだろう?)
(……さっき、思い出したのだが……
以前、君が「西の塔」について尋ねたことがあっただろう?)
(え?…そんなこと、あったっけ?)
(あったぞ、西の塔とはどこにあるのかと君が尋ねたら、そんなものは人々が勝手に造り出したものだと言っていたではないか…)
(あ!思い出したよ!
自分には家なんてあってもなくてもどっちでも良いもんだって言ってたよね!)
(そうだ。
もしかしたら、あの家は私達のために用意されたものだったのではなかろうか?)
(なるほど!!
それで、今はもうないってことなんだね?)
レヴはゆっくりと頷いた。
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