29 / 198
我が家へ…
8
しおりを挟む
ジネットは込み上げてくる熱い想いを押さえるのに必死だった。
他にも何か手がかりになるものはないかと探してみたが、特にこれといったものはみつからなかった。
キッチンには必要最低限のものしか見あたらない。
「サリーさん、私、部屋の中に風を入れてきますわ。」
「私も行くよ!」
「いえ、一人で大丈夫です。サリーさんはゆっくりしていて下さいな。」
ジネットはそう言って奥の部屋へ入って行った。
サリーはそんなジネットの様子を物陰からそっと見ていた。
部屋に入るとジネットは窓を空けるよりも先に、引出しや戸棚の中を調べ始めた。
しかし、ジネットの探していたものは見つからなかった様子で、ジネットは小さくため息を吐いていた。
(ジネットは何を探しているんだろう…?
無理にここに来たがったのは、何か探してるものがあるせいなのか?)
その時、ドアが開く音がして、レヴ達が帰って来た。
「おかえり!」
「やはり思った通り、この近くに泉がありました。」
「それは良かったですわ。
では、食事の準備をしますね。」
ジネットはなにもなかったような顔をしてそう言った。
「ジネット、あたし、歩き過ぎてちょっと疲れたから、食事の準備はあんたにまかせて良いかい?」
「え…ええ。
かまいませんよ。」
食事の準備をジネットにまかせたサリーは、その間にさっき見たことをレヴやヴェールに報告した。
「つまり、ジネットさんはこの家で何か探したいものがあって、ここへ来たがったということだな。」
「何でしょう?
ここには価値のあるもの等何もないはずですが…」
「…もしかしたら、彼女は君やお母上のことを何か知っているのではないか…」
「えっ?!」
「いや、君とお母上というよりは『森の民』だな…」
「彼女が森の民の何を知っているというのです?」
「いや…それはわからないのだが、こんな所に価値のあるものが…いや失礼。
彼女が探しているものは宝石等のような一般的に価値があるものではないと思うのだ。
きっと別の意味で価値のあるもの…」
「それが森の民とどんな関係があるっていうんだい?」
「…それは……」
「あ~~~!!」
サリーの大きな声に、レヴとヴェールは目を丸くする。
「なんだ、いきなり大きな声を出して…」
他にも何か手がかりになるものはないかと探してみたが、特にこれといったものはみつからなかった。
キッチンには必要最低限のものしか見あたらない。
「サリーさん、私、部屋の中に風を入れてきますわ。」
「私も行くよ!」
「いえ、一人で大丈夫です。サリーさんはゆっくりしていて下さいな。」
ジネットはそう言って奥の部屋へ入って行った。
サリーはそんなジネットの様子を物陰からそっと見ていた。
部屋に入るとジネットは窓を空けるよりも先に、引出しや戸棚の中を調べ始めた。
しかし、ジネットの探していたものは見つからなかった様子で、ジネットは小さくため息を吐いていた。
(ジネットは何を探しているんだろう…?
無理にここに来たがったのは、何か探してるものがあるせいなのか?)
その時、ドアが開く音がして、レヴ達が帰って来た。
「おかえり!」
「やはり思った通り、この近くに泉がありました。」
「それは良かったですわ。
では、食事の準備をしますね。」
ジネットはなにもなかったような顔をしてそう言った。
「ジネット、あたし、歩き過ぎてちょっと疲れたから、食事の準備はあんたにまかせて良いかい?」
「え…ええ。
かまいませんよ。」
食事の準備をジネットにまかせたサリーは、その間にさっき見たことをレヴやヴェールに報告した。
「つまり、ジネットさんはこの家で何か探したいものがあって、ここへ来たがったということだな。」
「何でしょう?
ここには価値のあるもの等何もないはずですが…」
「…もしかしたら、彼女は君やお母上のことを何か知っているのではないか…」
「えっ?!」
「いや、君とお母上というよりは『森の民』だな…」
「彼女が森の民の何を知っているというのです?」
「いや…それはわからないのだが、こんな所に価値のあるものが…いや失礼。
彼女が探しているものは宝石等のような一般的に価値があるものではないと思うのだ。
きっと別の意味で価値のあるもの…」
「それが森の民とどんな関係があるっていうんだい?」
「…それは……」
「あ~~~!!」
サリーの大きな声に、レヴとヴェールは目を丸くする。
「なんだ、いきなり大きな声を出して…」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
名前が強いアテーシア
桃井すもも
恋愛
自邸の図書室で物語を読んでいたアテーシアは、至極納得がいってしまった。
道理で上手く行かなかった訳だ。仲良くなれなかった訳だ。
だって名前が強いもの。
アテーシア。これって神話に出てくる戦女神のアテーナだわ。
かち割られた父王の頭から甲冑纏って生まれ出た、女軍神アテーナだわ。
公爵令嬢アテーシアは、王国の王太子であるアンドリュー殿下の婚約者である。
十歳で婚約が結ばれて、二人は初見から上手く行かなかった。関係が発展せぬまま六年が経って、いよいよ二人は貴族学園に入学する。
アテーシアは思う。このまま進んで良いのだろうか。
女軍神の名を持つ名前が強いアテーシアの物語。
❇R15短編スタートです。長編なるかもしれません。R18なるかは微妙です。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りしておりますが、皆様別人でございます。
❇相変わらずの100%妄想の産物です。史実とは異なっております。
❇外道要素を含みます。苦手な方はお逃げ下さい。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」。
❇例の如く、鬼の誤字脱字を修復すべく公開後から激しい微修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さい。
老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!
菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは
「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。
同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと
アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう
最初の武器は木の棒!?
そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。
何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら
困難に立ち向かっていく。
チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!
異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。
話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい!
****** 完結まで必ず続けます *****
****** 毎日更新もします *****
他サイトへ重複投稿しています!
異種族キャンプで全力スローライフを執行する……予定!
タジリユウ
ファンタジー
【1〜3巻発売中!】
とある街から歩いて2時間。そこはキャンプ場と呼ばれる不思議な場所で、種族や身分の差を気にせずに、釣りや読書や温泉を楽しみながら、見たこともない美味しい酒や料理を味わえる場所だという。
早期退職をして自分のキャンプ場を作るという夢を叶える直前に、神様の手違いで死んでしまった東村祐介。
お詫びに異世界に転生させてもらい、キャンプ場を作るためのチート能力を授かった。冒険者のダークエルフと出会い、キャンプ場を作ってスローライフを目指す予定なのだが……
旧題:異世界でキャンプ場を作って全力でスローライフを執行する……予定!
※カクヨム様でも投稿しております。
【次は100000PVを目指す】パワーストーンで魔法を放て!異世界魔法狂想曲
魔石収集家
ファンタジー
★776 ■■ 【 膨大な情報量 】 ■■東京のパワーストーン・ショップから突如として異世界転移となった3人の日本人と猫。 魔力を宿す石を装備し、魔法を放て!
… 3人と猫は無事に地球、日本、東京に帰れるのだろうか……
■膨大な情報量■
様々な場面描写★主人公側だけではなく、魔法や魔物、魔石目線での描写★異世界の職人たちの日常★ショートエピソード★魔物の誕生シーン★パワーストーンの逸話★神話的描写★詩…等々
盛沢山、魔力をこめて綴っています☆
(外部サイトでも掲載を行っています。)
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
氷の貴婦人
羊
恋愛
ソフィは幸せな結婚を目の前に控えていた。弾んでいた心を打ち砕かれたのは、結婚相手のアトレーと姉がベッドに居る姿を見た時だった。
呆然としたまま結婚式の日を迎え、その日から彼女の心は壊れていく。
感情が麻痺してしまい、すべてがかすみ越しの出来事に思える。そして、あんなに好きだったアトレーを見ると吐き気をもよおすようになった。
毒の強めなお話で、大人向けテイストです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる