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「僕の気持ち…伝わってないんやな…」
柚希さんは静かな声で呟いた。
「確かに、君にはめちゃめちゃ感謝してる。
でも、それがなんでそんな話になるん?
僕は君のこと、ちゃんと女性として愛してるよ。」
「う、嘘っ!
だ、だって、東京の人なら誰でも良かったって…」
「あぁ…せやな。
確かに、最初はそうやった。
君には何の感情もなかった。
でも…あれから時は流れて、その間にいろんなことがあったやん。
僕は、だんだん君に惹かれた。
それは間違いなく、恋愛感情やで。」
「……え?」
「もしかしたら…君は、僕が初めてまともに好きになった人かもしれへん。
子供の頃はともかく、大人になってからは、僕は女性に恋愛感情を抱いたことはなかったかもしれん。
そんな自分がいややったし、怖かった。
僕は一生誰も好きにはなられへんのかもしれへんと思た。
でも、そうやなかった。
なんとも思てなかったはずの君のことが、だんだん好きになっていった。
僕の心の中には、いつも君がおるようになったんや。」
「ま、まさか……」
余りに嬉しくて、信じられなくて…でも、信じたくて、私はすっかり混乱してしまった。
柚希さんは静かな声で呟いた。
「確かに、君にはめちゃめちゃ感謝してる。
でも、それがなんでそんな話になるん?
僕は君のこと、ちゃんと女性として愛してるよ。」
「う、嘘っ!
だ、だって、東京の人なら誰でも良かったって…」
「あぁ…せやな。
確かに、最初はそうやった。
君には何の感情もなかった。
でも…あれから時は流れて、その間にいろんなことがあったやん。
僕は、だんだん君に惹かれた。
それは間違いなく、恋愛感情やで。」
「……え?」
「もしかしたら…君は、僕が初めてまともに好きになった人かもしれへん。
子供の頃はともかく、大人になってからは、僕は女性に恋愛感情を抱いたことはなかったかもしれん。
そんな自分がいややったし、怖かった。
僕は一生誰も好きにはなられへんのかもしれへんと思た。
でも、そうやなかった。
なんとも思てなかったはずの君のことが、だんだん好きになっていった。
僕の心の中には、いつも君がおるようになったんや。」
「ま、まさか……」
余りに嬉しくて、信じられなくて…でも、信じたくて、私はすっかり混乱してしまった。
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