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「ええっ!なんやて~!」

「今まで隠しててすみませんでした。」

「やっぱりそうやったんか。
しかし、あんたもたいした嘘吐きやな。
全く知らん振りして…」

少し前から、勅使河原という病院が近くに出来るという噂が流れていたらしい。
滅多にない苗字だから、柚希さんはそのことで御家族から訊かれたらしいけど、知らない振りをしていた。



「皆を驚かせたかったんです。」

「十分驚いたわ。」

「まさか、あんたがこっちに帰って来るなんて思わんかったからな。」

柚希さんは、どこか困ったような顔をして微笑んだ。



「ひとみさんはええの?
地元を離れて…」

「こっちに住もうって言ってくれたのは、ひとみなんですよ。」

私が答える前に、柚希さんが話した。



「へぇ、そうなんや。
柚希、ええお嫁さん、もろたな。」

「なんやまだ信じられへんわ。
柚希は、もう二度とこっちには帰って来ーひんて思てたから。」

お義母さんはしみじみとそう言った。
柚希さんは、どこか照れくさそうだ。
でも、嬉しそう。
そうだよね。柚希さんは、地元が大好きなんだもんね。
良かった…こっちに来て、本当に良かった。
私は心の底から、そう思えた。
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