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「あの…私、そろそろ……」
食事が済んで、食後にはこれまた上等そうなメロンをいただいて、ちょっとおしゃべりしていたら、けっこういい時間になっていた。
「じゃあ、送っていくよ。」
「あ、すみません。」
(え?)
玄関先まで送ってくれるのかと思ったら、エレベーターに一緒に乗り込み、地下の駐車場に着いた。
「あ、私、電車で帰りますから。」
私の言葉を無視して、柚希さんは車に乗り込み…
「乗って。」
助手席の扉が開く。
え~……
ちょっと迷ったけど、強く断ることも出来ず、私は車に乗り込んだ。
「住所は?」
「は、はい。あの…」
悩んだけど、結局、言ってしまった。
言わずには済まない雰囲気だったから。
後悔する気持ちもあるけれど、もう言っちゃったから仕方がない。
車窓の風景は見慣れないもの。
今、どのあたりにいるのかも皆目わからない。
車はただ静かにナビに従って走り続ける。
「このあたりなら、30分もかからないね。」
「そうなんですか。」
意外と近かったことに、少しホッとする。
「ご実家も近くなの?」
「は、はい。電車で一駅です。」
「へぇ、それは近いね。」
しばらくすると、見た事のある風景が見えた。
実家の近くだ。
「あの…私、そろそろ……」
食事が済んで、食後にはこれまた上等そうなメロンをいただいて、ちょっとおしゃべりしていたら、けっこういい時間になっていた。
「じゃあ、送っていくよ。」
「あ、すみません。」
(え?)
玄関先まで送ってくれるのかと思ったら、エレベーターに一緒に乗り込み、地下の駐車場に着いた。
「あ、私、電車で帰りますから。」
私の言葉を無視して、柚希さんは車に乗り込み…
「乗って。」
助手席の扉が開く。
え~……
ちょっと迷ったけど、強く断ることも出来ず、私は車に乗り込んだ。
「住所は?」
「は、はい。あの…」
悩んだけど、結局、言ってしまった。
言わずには済まない雰囲気だったから。
後悔する気持ちもあるけれど、もう言っちゃったから仕方がない。
車窓の風景は見慣れないもの。
今、どのあたりにいるのかも皆目わからない。
車はただ静かにナビに従って走り続ける。
「このあたりなら、30分もかからないね。」
「そうなんですか。」
意外と近かったことに、少しホッとする。
「ご実家も近くなの?」
「は、はい。電車で一駅です。」
「へぇ、それは近いね。」
しばらくすると、見た事のある風景が見えた。
実家の近くだ。
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