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095 : 修道院
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「マルタンさんがミシェルと別れた時にはミシェルの意識はまだあったんですよね?」
「ええ…その時はまだ…
痛み止めを飲んで眠る事は多かったですが、まだ私のことをしっかりとわかっていました。」
「その時、ミシェルは何歳でしたか?」
「五歳です。」
「五歳なら、記憶はあるはずなんだが…」
クロードはミシェルに向き直り、私を指差してミシェルに問うた。
「ミシェル、あのおじさんは誰だかわかるかな?
ゆっくりで良いから考えてごらん。」
ミシェルは、私のことをじっとみつめ、そして首を振った。
「知らないおじさん。」
「慌てなくて良いんだ。
ミシェルは、忘れてるだけなんだよ。
よ~く思い出してごらん。」
「知らない!僕、あんなおじさん知らない!」
打ちのめされた…
まさか、こんなことになるなんて、考えてもみなかった。
私はその場にいることが出来ず、ふらふらと外へ向かい、家のそばの木陰にがっくりと、腰を降ろした。
「マルタン、大丈夫か…」
「リュック…すまないが一人にしてくれ…」
「マルタン…
心配すんな!ミシェルは目が覚めたばかりで、あんたのことは一時的に忘れてるだけなんだ。
すぐに思い出すさ。
それよりも、病気はなんともないようじゃないか!
陽炎の石が効いたんだ!そっちを喜べよ!」
そうだった…
リュックに言われて、私は大切なことを見落としていたことに気が付いた。
「君の言う通りだ…
そうだ、きっと彼は今、意識が混乱してるんだ…!
彼の病は、陽炎の石で消え去った。
そのことを喜ばなくてはな…!」
「そうだぜ!
すぐに落ちこむのは、あんたの悪い癖だ!」
リュックに肩を叩かれ、気持ちがほぐれた時、私達は後ろから聞こえる無気味な笑い声に気が付いた。
「ええ…その時はまだ…
痛み止めを飲んで眠る事は多かったですが、まだ私のことをしっかりとわかっていました。」
「その時、ミシェルは何歳でしたか?」
「五歳です。」
「五歳なら、記憶はあるはずなんだが…」
クロードはミシェルに向き直り、私を指差してミシェルに問うた。
「ミシェル、あのおじさんは誰だかわかるかな?
ゆっくりで良いから考えてごらん。」
ミシェルは、私のことをじっとみつめ、そして首を振った。
「知らないおじさん。」
「慌てなくて良いんだ。
ミシェルは、忘れてるだけなんだよ。
よ~く思い出してごらん。」
「知らない!僕、あんなおじさん知らない!」
打ちのめされた…
まさか、こんなことになるなんて、考えてもみなかった。
私はその場にいることが出来ず、ふらふらと外へ向かい、家のそばの木陰にがっくりと、腰を降ろした。
「マルタン、大丈夫か…」
「リュック…すまないが一人にしてくれ…」
「マルタン…
心配すんな!ミシェルは目が覚めたばかりで、あんたのことは一時的に忘れてるだけなんだ。
すぐに思い出すさ。
それよりも、病気はなんともないようじゃないか!
陽炎の石が効いたんだ!そっちを喜べよ!」
そうだった…
リュックに言われて、私は大切なことを見落としていたことに気が付いた。
「君の言う通りだ…
そうだ、きっと彼は今、意識が混乱してるんだ…!
彼の病は、陽炎の石で消え去った。
そのことを喜ばなくてはな…!」
「そうだぜ!
すぐに落ちこむのは、あんたの悪い癖だ!」
リュックに肩を叩かれ、気持ちがほぐれた時、私達は後ろから聞こえる無気味な笑い声に気が付いた。
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