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ルカ(聖夜月ルカ)

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095 : 修道院

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「マルタン…俺だけには本当のことを話してくれ。
クロワさん達があんたから離れた時、あんたはひどくうなされてな…
その時の様子で俺は感じたんだ。
あんたが記憶を取り戻したってことをな。
あんたは、何度も叫んでいた。
『ミシェル』って名前を…
誰なんだ?
ミシェルっていうのは、あんたにとってどういう人なんだ?」

ミシェル…それは、私にとってこの世で一番大切な…



「マルタン!!頼むから話してくれよ…!!
いや、あんたには話す義務があるんだ。
俺が…あの小人の話を話したのは、後にも先にもこの世であんた一人だけなんだからな。
あんたが、俺の秘密を守ってくれたように俺だってあんたの秘密は守る…!
クロワさん達にも言いたくないのなら言わない。
俺になにが出来るかはわからないが、とにかく全力は尽くすから!
頼む、マルタン!!あんたが思い出したことを話してくれ!!」

リュックの気持ちはありがたかったが…彼に出来ることはない。
いや、誰にも出来る事はない。
なぜなら、私が思い出した記憶は、ティアナの言った通りのこと…
まさに「記憶は死と引き換え」だったのだから。



「マルタン!なんとか言えよ!
あんたが、話してくれるまで、俺はここから一歩も出さないからな!」

リュックのその言葉がはったりではないことは、その瞳を見ればわかった。
彼は、私が話さない限り、決して私をここから出しはしないだろう。
しかし、私はここにいるわけにはいかない。
私は今すぐに行かねばならないのだ。
『ミシェル』の元へ…
行っても無駄なことかもしれないが、それでも私は行くしかないのだ。
私は、涙を拭き、立ちあがった。



「マルタン…!行かせないって言っただろ!」

リュックの手が私の腕を強く掴む。



「リュック…私はいかなくてはならない…ミシェルの元へ…」

「なら、話せ!
あんたが思い出したことを…!!」




私は観念した。
ここで話さなければ、リュックは絶対に私をここから出さないだろう。



 「私は……彼女を殺すつもりだった…」

「こ、殺す…?彼女って誰の事なんだ?」

「私は……クロワさんを殺すために…」

「……え…今、な、なんて…」

リュックの手から力が抜けた…
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