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ルカ(聖夜月ルカ)

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095 : 修道院

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「クロワさん、最近少し神経が高ぶっているようなので、よく眠れる薬をいただけませんか?」

「マルタンが眠れないなんてことがあるのか?
本当にどうしたんだ。
大丈夫か?」

「あぁ、きっと一時的なものだ。
すぐに治ると思う。」

私はクロワから眠り薬をもらい、横になった。
考えなければ、思い出すこともないだろうというごく安直な思いからだった。







クロワの薬のおかげで、その晩は夢さえ見ることなく熟睡出来た。
早くに横になったためか身体の疲れもとれたような気がして、気分も少し楽になっていた。
やはり、あれは私達の後ろにいた修道士に声をかけたものなのだ…なんとなくそう思えるようになっていた。

私達は、いつものように朝食を食べるとすぐに町を出た。
隣町までは、思ったよりも距離があり、着いたのは夜も更けてからのことだった。



「ずいぶん遅くなっちまったな。」

「でも、真夜中じゃなくてまだ良かったじゃない。
それにリュック、ここよ。この町に大聖堂があるはずよ!」

「そうだったな!
暗いせいか、全然わからなかったけど…どこにあるんだろうな?!」

「リュック、とりあえず、宿を探さないと…
夕食はまだいただけるのかしら?」

「そうだな。早く探そう!
夕食にありつけなくなったら困るもんな。」

宿を探し、町の中を歩いている時のことだった。



「ずいぶんと遅かったんですね!
待ちたびれましたよ!」



振返ると、そこにはクロードがにこやかな笑顔で立っていた。




「先生!どうしたんだ?!
こんな所で…!!」

クロードはリュックの言葉に静かに笑った。



「まずは宿へ…
そこで、飲みながらゆっくりお話しましょう。」

クロードに着いて、私達は宿に向かった。
クロワは、信じられないといった風体で小さく首を振っていた。



クロードの泊まっている宿はその場所からすぐだった。
もう何日も前から泊まっているらしく、クロードは宿の主人とも親しげに言葉を交わしていた。



私達は、部屋に荷物を置き、一階の食堂兼酒場で夕食を摂った。

 
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