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092 : 先人の知恵
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ちょうどその時、ガラスを抱えたクロワが帰って来た。
気を利かせて、このあたりではあまり見かけない食材や果物等も買い込んできてくれたようだ。
「まぁまぁ、すごい荷物だこと。
重かったでしょう?ご苦労様。
クロワさんも戻ったことだし、じゃあ、そろそろ食事にしようか。」
私達は、クロワが買って来てくれたガラスを窓にはめこみ、そして、マギーの家族と一緒に食卓を囲んだ。
食後、マギーの夫が地図を持って、先ほどの聖堂のある場所を教えてくれた。
「そこそこの距離があるけど、これだったら行けないことはないな。」
「何?何のお話なの?」
「このあたりに何百年もかけて作られたすごい聖堂があるんだってさ。」
「ずいぶん南ね…
あ、それじゃあ、もしかしたら海底神殿の近くになるんじゃない?」
「海底神殿?
そういやあ、昔、そんな話を聞いたことがあるぞ。」
「えっっ!本当か?!
どんな話だ?聞かせてくれよ!」
身を乗り出したリュックに、マギーの夫は目を丸くしていた。
「ちょっと待ってくれよ…確か……そうだ!思い出した!
その聖堂を設計した建築家が、海で溺れかけた時に海に沈む神殿を見て、それをヒントにあの聖堂を設計したっていう話だったと思う。
そうそう、それでもう自分は死んだと思ってたら、それがいつの間にか浜辺に打ち上げられてたらしいんだ。
けっこう深く沈んだはずだし、浜辺なんて近くになかったから、これはきっと何か意味があることなんだと思い、あの聖堂を設計したとかって話だったよ。
でも、そんな話、信じられないだろ?
海の底に沈んだ人間が助かったり、海底に神殿があるなんて…
きっと、あの聖堂を値打ち付けるために考えられた作り話だと思って、今まですっかり忘れてたよ。」
「そんな話が…!」
「なんだい?
あんたら、海底神殿なんてものがあるなんてこと、本当に信じてるのかい?」
「まぁな…」
「へぇ…世の中には変わった人達がいるもんだな。
まぁ、いいさ、若いうちはいろんなことにとことん挑戦することが大切だもんな!」
思わぬ所から、海底神殿の情報を知ることが出来た。
次の私達の行き先は、この聖堂のある町になりそうだ。
気を利かせて、このあたりではあまり見かけない食材や果物等も買い込んできてくれたようだ。
「まぁまぁ、すごい荷物だこと。
重かったでしょう?ご苦労様。
クロワさんも戻ったことだし、じゃあ、そろそろ食事にしようか。」
私達は、クロワが買って来てくれたガラスを窓にはめこみ、そして、マギーの家族と一緒に食卓を囲んだ。
食後、マギーの夫が地図を持って、先ほどの聖堂のある場所を教えてくれた。
「そこそこの距離があるけど、これだったら行けないことはないな。」
「何?何のお話なの?」
「このあたりに何百年もかけて作られたすごい聖堂があるんだってさ。」
「ずいぶん南ね…
あ、それじゃあ、もしかしたら海底神殿の近くになるんじゃない?」
「海底神殿?
そういやあ、昔、そんな話を聞いたことがあるぞ。」
「えっっ!本当か?!
どんな話だ?聞かせてくれよ!」
身を乗り出したリュックに、マギーの夫は目を丸くしていた。
「ちょっと待ってくれよ…確か……そうだ!思い出した!
その聖堂を設計した建築家が、海で溺れかけた時に海に沈む神殿を見て、それをヒントにあの聖堂を設計したっていう話だったと思う。
そうそう、それでもう自分は死んだと思ってたら、それがいつの間にか浜辺に打ち上げられてたらしいんだ。
けっこう深く沈んだはずだし、浜辺なんて近くになかったから、これはきっと何か意味があることなんだと思い、あの聖堂を設計したとかって話だったよ。
でも、そんな話、信じられないだろ?
海の底に沈んだ人間が助かったり、海底に神殿があるなんて…
きっと、あの聖堂を値打ち付けるために考えられた作り話だと思って、今まですっかり忘れてたよ。」
「そんな話が…!」
「なんだい?
あんたら、海底神殿なんてものがあるなんてこと、本当に信じてるのかい?」
「まぁな…」
「へぇ…世の中には変わった人達がいるもんだな。
まぁ、いいさ、若いうちはいろんなことにとことん挑戦することが大切だもんな!」
思わぬ所から、海底神殿の情報を知ることが出来た。
次の私達の行き先は、この聖堂のある町になりそうだ。
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