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ルカ(聖夜月ルカ)

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075 : 嘘と約束 白いネコ

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「すみません、クロワさん。
その通りです。
私達は、自らその灯を消してはいけないんですね。
まだ、ジャクリーヌを救えるまでの日にちはある…
諦めてはいけないんですね!」

「そうです、マルタンさん!
頑張りましょう!!」

クロワは私の両手をきつく握った。
彼女の決意は私よりもずっと堅く真剣だ。
どんなことをしてでもジャクリーヌを助けたい!という強い意思を持っている。
彼女の涙を見た事で、私にもその熱意が伝わった。







次の日、いつものように私達は採掘作業に向かった。
今日は、少し場所を変えてみようと考えていた所、私の目の端に小さな白いものが映った。
なにげなくそちらに気をひかれて向かってみると、それは真っ白な小さな猫だった。



「こんな所で一人で何をしてるんだい?
親とはぐれたのか?」

私は自然とその子猫に話しかけていた。
ふかふかした白い体毛に、真っ青な瞳をした子猫はいたずらっぽい顔をして、私の足元にまとわりついてきた。
私は片手で子猫を抱き上げる。
その身体は、見た目よりもずっと軽かった。

猫と遊んでる場合ではないのだが、私は過去に猫を飼っていたのではないかという気がするほど、その小さな生き物が愛しく感じられた。
柔らかく温かいその身体は、抱いているだけで癒される…
しばらく私の中でじっとしていたかと思うと、子猫は急に私の腕から飛び出した。
本当に猫というものは気まぐれだ。



「こらこら、どこにいくんだ!」

私が追いかけて来る様を、後ろを振り向きながら子猫は走って行く。
やがて、ぴょんぴょんと身軽に岩を駆けあがり、その上の大きな岩の上に寝そべった。



「そこで、私が働くのを見てるつもりか?」

手の届かない場所へ行ってしまった子猫に声をかけながら、私はその場所で掘ることにした。
先ほどの場所に戻り、道具を持ち帰ると私は採掘作業を開始した。
子猫はあくびをしながら、私のその姿をじっと見ていた。
土を掘りだし、それらを集めてふるいにかける。
ふるいに残るのはいつもただの石ころばかり…
毎日毎日、何度もそんな作業を繰り返していた。 
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