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072 : 揺りかごの歌
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町には人通りもほとんどなかった。
尋ねる人もないままに町の中を歩いていると、私達はやっと一軒の宿屋をみつけた。
早速、中に入りクロワのことを尋ねてみると、クロワらしき女性はここに一泊した後、旅立ってしまったと言う事だった。
「困ったな。
クロワさん、かなり怒ってるみたいだな。
あんただけでもすぐに追いかければ良かったのに…」
「今更そんなことを言っても仕方がないじゃないか。」
「そりゃあ、そうだけど…
じゃ、とにかく先を急ごう!
夜通しで歩けば、ずいぶん差を縮められるはずだ。」
「リュック…
そこまですることはないじゃないか。
今夜はここで休んで行こう。」
「なんでだよ。そんなことをしてたら、クロワさんになかなか追いつけないぜ。」
「そうは言っても、今日も朝から働くだけ働いて、そしてすぐにここまで歩いて来たんだ。
いいかげん、体力の限界だ。
私は君のように若い身体じゃないんだからな。」
「ちぇっ、情けないなぁ…」
「まぁ、そういうなよ。
クロワさんも、数日経って気持ちが落ちついたらきっと待っててくれるさ。」
私がそんなことを言ったのは、時間を稼いでクロワを先に進ませるためでもあり、そして、もう一つには本当に疲れていたからだ。
このまま次の町まで眠らずに歩くなんてことは、今の私には出来そうになかったのだ。
リュック自身も本人に自覚はなかったのかもしれないがやはり疲れていたようで、僅かな寝酒を飲んだだけで、私より先に眠り込んでしまっていた。
そんなリュックを見て、私もうとうとし始めた時、どこからか美しい女性の歌声が聞こえて来た。
心が洗われるような澄みきった細い声が歌っていたのは、子守り歌だった。
泊り客に子供でもいるのだろうか…
そんなことを考えているうちに、私もいつの間にかその子守唄で安らかな眠りに就いていた。
*
「あぁ~、昨日はよく寝た。
あんたに情けないなんて言っちまったけど、俺も疲れてたみたいだ。」
「そりゃあそうだろう。
昨日は、かなりの強行軍だったからな。」
私達が宿屋の食堂で朝食を食べていると、小さな子供を連れた若い母親が入って来た。
その少年は、異常な程白い肌をして、痩せこけている。
髪の毛は艶がなく、瞼を開くのもだるいようだ。
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早速、中に入りクロワのことを尋ねてみると、クロワらしき女性はここに一泊した後、旅立ってしまったと言う事だった。
「困ったな。
クロワさん、かなり怒ってるみたいだな。
あんただけでもすぐに追いかければ良かったのに…」
「今更そんなことを言っても仕方がないじゃないか。」
「そりゃあ、そうだけど…
じゃ、とにかく先を急ごう!
夜通しで歩けば、ずいぶん差を縮められるはずだ。」
「リュック…
そこまですることはないじゃないか。
今夜はここで休んで行こう。」
「なんでだよ。そんなことをしてたら、クロワさんになかなか追いつけないぜ。」
「そうは言っても、今日も朝から働くだけ働いて、そしてすぐにここまで歩いて来たんだ。
いいかげん、体力の限界だ。
私は君のように若い身体じゃないんだからな。」
「ちぇっ、情けないなぁ…」
「まぁ、そういうなよ。
クロワさんも、数日経って気持ちが落ちついたらきっと待っててくれるさ。」
私がそんなことを言ったのは、時間を稼いでクロワを先に進ませるためでもあり、そして、もう一つには本当に疲れていたからだ。
このまま次の町まで眠らずに歩くなんてことは、今の私には出来そうになかったのだ。
リュック自身も本人に自覚はなかったのかもしれないがやはり疲れていたようで、僅かな寝酒を飲んだだけで、私より先に眠り込んでしまっていた。
そんなリュックを見て、私もうとうとし始めた時、どこからか美しい女性の歌声が聞こえて来た。
心が洗われるような澄みきった細い声が歌っていたのは、子守り歌だった。
泊り客に子供でもいるのだろうか…
そんなことを考えているうちに、私もいつの間にかその子守唄で安らかな眠りに就いていた。
*
「あぁ~、昨日はよく寝た。
あんたに情けないなんて言っちまったけど、俺も疲れてたみたいだ。」
「そりゃあそうだろう。
昨日は、かなりの強行軍だったからな。」
私達が宿屋の食堂で朝食を食べていると、小さな子供を連れた若い母親が入って来た。
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髪の毛は艶がなく、瞼を開くのもだるいようだ。
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