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068 : 下町の華
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「残念だったが仕方がないな。」
「そうね。
今は特にお金に困ってるわけでもないんだし、ここで今後必要になりそうなものを揃えてそれからまた先に進みましょうよ。
そうだわ、今夜はちょっとおいしいものでも食べましょうか!」
「呑気なこと言ってるなぁ…
こんなことが続いてたら、海底神殿を探す費用なんていつまで経ってもたまらないぜ。」
「それはそうだが…」
「もう少し探してみようぜ!」
リュックのその言葉に、私とクロワは反対する事も出来ず、ただ黙ってリュックの後をついていった。
もうしばらくしてみつからなければ、彼も諦めてくれるだろう。
店ももうそれほどたくさんはない。
おそらく、職がみつかることはないだろうと思われた。
「あ!クロワさん、ここ!!」
弾んだ声でリュックが指差したのは、一軒の薬屋だった。
そこには、店員を募集する貼り紙があったのだ。
「なんだね?薬がほしいのかい?」
リュックの声が大きかったせいなのか、店の中から、小柄な老人が顔を出した。
「いや、そうじゃないんだ。
ここに店員募集って書いてあるが、まだ募集してるのか?」
「あぁ、まだ募集はしてるが…」
老人はリュックの姿を上から下までじろじろと見つめている。
「あ、俺じゃないんだ!
俺の連れの…この人。
この人は、薬師で、薬のことにはとても詳しいんだ。」
リュックは、クロワの腕をひっぱり、老人の前に差し出した。
「薬師?それは助かる!
それに、あんたとは違って真面目そうな娘さんじゃな。
まぁ、中へ入んなさい。」
老人に促され、私達は店の中に入った。
店に入ると、早速、クロワを試すように、いくつかの丸薬や薬草を差し出し、その種類や効能、調合法等を述べさせていた。
「たいしたもんじゃ!
ぜひ、うちに来ておくれ!
わしが薬草を採りに行ったり、材料を買いにでかける間はいつも店を閉めるしかなくてのう。
その間、客の相手をしてくれる店員を探しとったんじゃが、あんたみたいに薬の知識のある人が来てくれたら大助かりじゃ!
早速、明日から来ておくれ。
いや、今日からだってかまわんぞ!
給金ははずむからな!」
「そうね。
今は特にお金に困ってるわけでもないんだし、ここで今後必要になりそうなものを揃えてそれからまた先に進みましょうよ。
そうだわ、今夜はちょっとおいしいものでも食べましょうか!」
「呑気なこと言ってるなぁ…
こんなことが続いてたら、海底神殿を探す費用なんていつまで経ってもたまらないぜ。」
「それはそうだが…」
「もう少し探してみようぜ!」
リュックのその言葉に、私とクロワは反対する事も出来ず、ただ黙ってリュックの後をついていった。
もうしばらくしてみつからなければ、彼も諦めてくれるだろう。
店ももうそれほどたくさんはない。
おそらく、職がみつかることはないだろうと思われた。
「あ!クロワさん、ここ!!」
弾んだ声でリュックが指差したのは、一軒の薬屋だった。
そこには、店員を募集する貼り紙があったのだ。
「なんだね?薬がほしいのかい?」
リュックの声が大きかったせいなのか、店の中から、小柄な老人が顔を出した。
「いや、そうじゃないんだ。
ここに店員募集って書いてあるが、まだ募集してるのか?」
「あぁ、まだ募集はしてるが…」
老人はリュックの姿を上から下までじろじろと見つめている。
「あ、俺じゃないんだ!
俺の連れの…この人。
この人は、薬師で、薬のことにはとても詳しいんだ。」
リュックは、クロワの腕をひっぱり、老人の前に差し出した。
「薬師?それは助かる!
それに、あんたとは違って真面目そうな娘さんじゃな。
まぁ、中へ入んなさい。」
老人に促され、私達は店の中に入った。
店に入ると、早速、クロワを試すように、いくつかの丸薬や薬草を差し出し、その種類や効能、調合法等を述べさせていた。
「たいしたもんじゃ!
ぜひ、うちに来ておくれ!
わしが薬草を採りに行ったり、材料を買いにでかける間はいつも店を閉めるしかなくてのう。
その間、客の相手をしてくれる店員を探しとったんじゃが、あんたみたいに薬の知識のある人が来てくれたら大助かりじゃ!
早速、明日から来ておくれ。
いや、今日からだってかまわんぞ!
給金ははずむからな!」
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