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059 : 吉報
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その後、リュックと私は他の本棚を見て回り、修理の出来るものは修理した。
「皆さんのおかげで、気になっていたことがすべて片付きました。
本当にありがとうございました。」
「こちらこそ、長い間、お世話になってしまって…」
「明日は表のデッキを少し直すよ。
それと、ペンキはあるかい?」
「いえ、そんな、もうこれで十分ですから…」
「何言ってんだよ。
表の修繕なんてすぐに出来るんだから。」
「父さん、リュックさんがこうおっしゃってるんだから、お願いすれば?
どうせ、父さんには出来ないんだから。」
「そうかい…?
それじゃあ、お世話になりついでにお願いします。」
次の日、私とリュックは早速デッキの修繕に取りかかった。
クロワは、ジュスタンと一緒に、薬草を摘みに出掛けた。
デッキの修繕とペンキ塗りは意外に簡単で、夕方近くには終わってしまった。
「なんだか、ここだけ新築みたいになったな。」
「本当は外壁も綺麗に塗りたいんだけど、ペンキがこれしかないから無理だな。」
「しかし、君は本当に何をやらせても器用だな。
これだけの腕があれば、食いっぱぐれがないな。」
「たいしたことないさ。
それより、マルタン、あんたこそずいぶんうまくなったじゃないか。
もう板もまっすぐ切れるようになったし。」
「君のおかげだよ。
これからもいろいろ教えてくれよな!」
「あぁ、いいぜ!」
その時、郵便配達の男が私達の前で立ち止まった。
「こちらに、ボンドヴィルさんはいらっしゃいますか?」
「ボンドヴィル?」
「ええ…ジュスタン・ボンドヴィルさんです。」
「あぁ、ジュスタンのことか。
ジュスタンは今出かけてるけど…」
「そうですか。
では、戻られたらこれをお渡し下さい。」
郵便配達人は、リュックに手紙を手渡した。
郵便配達人が去ったのとほぼ同時に、籠を背負ったジュスタンとクロワが帰って来た。
「お帰り!
えらくたくさん採ってきたんだな。」
「おぉっ!すごく綺麗になりましたね!
しかも、こんなに早くに出来あがってしまうとは…
本当にありがとうございます!」
「本当は外の壁も綺麗にしたいんだけど、ペンキが足りないんだ。
あ、そうだ。ジュスタンさん、あんたに手紙が来てるぜ。」
「手紙ですか?ありがとうございます。」
差し出し人を見たジュスタンは、急に表情を曇らせると、その手紙を無造作にポケットにねじこんだ。
「皆さんのおかげで、気になっていたことがすべて片付きました。
本当にありがとうございました。」
「こちらこそ、長い間、お世話になってしまって…」
「明日は表のデッキを少し直すよ。
それと、ペンキはあるかい?」
「いえ、そんな、もうこれで十分ですから…」
「何言ってんだよ。
表の修繕なんてすぐに出来るんだから。」
「父さん、リュックさんがこうおっしゃってるんだから、お願いすれば?
どうせ、父さんには出来ないんだから。」
「そうかい…?
それじゃあ、お世話になりついでにお願いします。」
次の日、私とリュックは早速デッキの修繕に取りかかった。
クロワは、ジュスタンと一緒に、薬草を摘みに出掛けた。
デッキの修繕とペンキ塗りは意外に簡単で、夕方近くには終わってしまった。
「なんだか、ここだけ新築みたいになったな。」
「本当は外壁も綺麗に塗りたいんだけど、ペンキがこれしかないから無理だな。」
「しかし、君は本当に何をやらせても器用だな。
これだけの腕があれば、食いっぱぐれがないな。」
「たいしたことないさ。
それより、マルタン、あんたこそずいぶんうまくなったじゃないか。
もう板もまっすぐ切れるようになったし。」
「君のおかげだよ。
これからもいろいろ教えてくれよな!」
「あぁ、いいぜ!」
その時、郵便配達の男が私達の前で立ち止まった。
「こちらに、ボンドヴィルさんはいらっしゃいますか?」
「ボンドヴィル?」
「ええ…ジュスタン・ボンドヴィルさんです。」
「あぁ、ジュスタンのことか。
ジュスタンは今出かけてるけど…」
「そうですか。
では、戻られたらこれをお渡し下さい。」
郵便配達人は、リュックに手紙を手渡した。
郵便配達人が去ったのとほぼ同時に、籠を背負ったジュスタンとクロワが帰って来た。
「お帰り!
えらくたくさん採ってきたんだな。」
「おぉっ!すごく綺麗になりましたね!
しかも、こんなに早くに出来あがってしまうとは…
本当にありがとうございます!」
「本当は外の壁も綺麗にしたいんだけど、ペンキが足りないんだ。
あ、そうだ。ジュスタンさん、あんたに手紙が来てるぜ。」
「手紙ですか?ありがとうございます。」
差し出し人を見たジュスタンは、急に表情を曇らせると、その手紙を無造作にポケットにねじこんだ。
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