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056 : 遊牧民の秘湯
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「あら?何のお話?」
「あぁ、クロワさん、お帰り!
実は、この先の山の中に湯治に良い温泉があるって話があってね…」
「湯治に?
それは、マルタンさんの身体に良さそうじゃない!」
「そうなんだ。
俺もそう思ったんだけど、山のけっこう奥まった所にあるらしいんだ。
なんでも、昔、遊牧民が見つけた温泉とかで…
俺にその話を教えてくれた男も、そういう話を聞いたことがあるだけで、実際には行ったことはないらしいんだ。
きっとわかりにくい場所なんだろうな。
だから、行ってみるのはマルタンの具合がもう少し良くなってからにしようかって話してた所なんだよ。」
「私ならもう大丈夫だぞ。」
「何言ってるんだ。
何日も寝てたら、体力っていうのは自分でも気付かない位、落ちてるもんなんだぜ。
しかも山道となりゃあ、普段、元気な奴だって相当に疲れるもんだからな。」
「ねぇ、リュック!
私達で下見に行って来ない?
場所がわかってれば、マルタンさんもそうは疲れないんじゃないかしら?」
「それはそうだな!」
「そんな…私のためにご迷惑をおかけするわけには…」
「迷惑なんかじゃありませんよ。
私、もともと山が好きですから。
遊牧民が歩いた道だったら、いろんな薬草もみつかりそうですしね。」
「本当にクロワさんは、いつも薬のことが頭から離れないんだな!」
「そうよ!
私にはこれしかないんだもの!」
次の休みに、クロワとリュックは温泉のある山へでかけていった。
私は、少しでも体力を戻そうと、果樹園の中を散歩がてら歩きまわった。
ただっ広いの果樹園は、一周するだけでじんわりと汗がにじんで来る。
私は自分で出来る限りの夕食を準備し、二人の帰りを待っていたが、その晩、二人は帰っては来なかった。
クロワもリュックも山には慣れている。
まさか、迷ってはいないと思うが、何かあったのか?
それとも、ただ温泉がみつからないだけなのか?
様々なことが脳裏をかすめていく。
結局、二人が帰って来たのは、次の日の夕刻近くだった。
「あぁ、クロワさん、お帰り!
実は、この先の山の中に湯治に良い温泉があるって話があってね…」
「湯治に?
それは、マルタンさんの身体に良さそうじゃない!」
「そうなんだ。
俺もそう思ったんだけど、山のけっこう奥まった所にあるらしいんだ。
なんでも、昔、遊牧民が見つけた温泉とかで…
俺にその話を教えてくれた男も、そういう話を聞いたことがあるだけで、実際には行ったことはないらしいんだ。
きっとわかりにくい場所なんだろうな。
だから、行ってみるのはマルタンの具合がもう少し良くなってからにしようかって話してた所なんだよ。」
「私ならもう大丈夫だぞ。」
「何言ってるんだ。
何日も寝てたら、体力っていうのは自分でも気付かない位、落ちてるもんなんだぜ。
しかも山道となりゃあ、普段、元気な奴だって相当に疲れるもんだからな。」
「ねぇ、リュック!
私達で下見に行って来ない?
場所がわかってれば、マルタンさんもそうは疲れないんじゃないかしら?」
「それはそうだな!」
「そんな…私のためにご迷惑をおかけするわけには…」
「迷惑なんかじゃありませんよ。
私、もともと山が好きですから。
遊牧民が歩いた道だったら、いろんな薬草もみつかりそうですしね。」
「本当にクロワさんは、いつも薬のことが頭から離れないんだな!」
「そうよ!
私にはこれしかないんだもの!」
次の休みに、クロワとリュックは温泉のある山へでかけていった。
私は、少しでも体力を戻そうと、果樹園の中を散歩がてら歩きまわった。
ただっ広いの果樹園は、一周するだけでじんわりと汗がにじんで来る。
私は自分で出来る限りの夕食を準備し、二人の帰りを待っていたが、その晩、二人は帰っては来なかった。
クロワもリュックも山には慣れている。
まさか、迷ってはいないと思うが、何かあったのか?
それとも、ただ温泉がみつからないだけなのか?
様々なことが脳裏をかすめていく。
結局、二人が帰って来たのは、次の日の夕刻近くだった。
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