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ルカ(聖夜月ルカ)

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051 : 石碑の見てきたもの

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「それで、ばあさんの島に行くようになったのか…」

「そんな所だ。
このあたりは、無人島ばかりだと思ってたから、ばあさんをみつけた時は驚いたよ。」

「そういえば、あんた、この先の無人島にいったことがあるか?」

「どの島だ?」

「どの島って…ほら、石碑のある島だ。」

「あぁ、知ってるとも。」

「あの石碑は、一体、何なんだ?」

「そんなこと、最近、ここへ来たばっかりの俺が知るわけはないだろう?
ばあさん達でさえ、知らないって言うんだから。」

「そうか~…
ばあさん達も知らないのか。」

リュックがあの石碑のことをそんなに気にかけているとは思わなかった。



「俺も気にはなってるんだけどな。」

「で、あんたはあれはなんだと思う?」

「そうだな…俺は慰霊塔じゃないかと思ってる。」

「慰霊塔?ってことは、やっぱりあそこで昔戦争かなにかあって…」

「あんな小さな島だ。戦争はないんじゃないか?
俺は、最初、囚人を閉じ込めておくための監獄島じゃないかと考えたんだが、それらしき施設の痕跡もない。
…と、なると、もしかしたら、流行り病かなにかにかかった者達をあの島へ捨てたんじゃないかと考えたんだ…」

「病人を見捨てたってのか!?」

「そういうことは昔からよくあることだ。」

「なんて、ひどいことを…!!」

リュックは、興奮した様子で拳でテーブルを叩きつけた。



「リュック…そうと決まったわけじゃないさ。
あくまでも、それはジャン=ルイさんの推測だ。」

「その通りだ。
今となっては、あの島でなにがあったのかを知る術もない…
それに、わかった所で今更俺に出来る事は何もない…」

「あの島の出来事を知るのは、あの石碑だけだってことなんだな…」

「そういうことだな…」



部屋の中に重苦しい空気が広がった。 
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