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050 : 秘蔵の銘酒
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「なんじゃ、たったこれだけか…」
私達の釣って来た数匹の小魚を見て、呆れた声でローズはそう言った。
「ほんに、おまえさん達はなにをやらせてもへたくそじゃのう…」
さらに追い討ちをかけるように、横からジョセフが口を出す。
「俺達は、これからのことを語り合ってて、釣りは真剣にやらなかっただけだ!
な、マルタン!」
「まぁええ。
わしが採ってきた魚があるからな。
おまえさん達のとは違って大きなやつがな!」
「別に俺は魚なんて食べたかないよ!」
いつものようにつまらない口喧嘩で、今夜の夕食も始まった。
「ローズ、酒はもうないのか?」
「もうないさ。
あんたらががぶがぶ飲んでしまったからな。」
「この島に酒屋なんてないよな?
じゃあ、本土まで買いに行くしかないのか?」
「そうさ。
あ…でも…」
「なにかあるのか…」
「……あんたら…明日はちょっとした冒険に行って来たらどうだい?」
「冒険?なんだ、そりゃあ?」
「実はな、ここにたまにあの甘い果物を採りに来る男がおるんじゃが、その男が果物のお礼といって酒をくれるんじゃ。
今まであんたらが飲んでたあれじゃな。
その男は、この近くの無人島に一人で住んでるそうで、そこで酒を作っとるそうじゃ。
どうじゃ?あんたらはその男の住む島を見つけ出し、酒をもらってこれるかのう?」
「なんだ、そんなことか、簡単なことじゃないか!」
「じゃあ、明日、あんたら二人で行って来るんじゃな。」
「えっ?!俺とマルタンと二人でか?」
「なんじゃ、やっぱり心配なのか?」
「し、心配なことなんてあるもんか!
よし!行ってやろうじゃないか!
すぐにもらって来るから待ってろよ!」
私の意思は一言も尋ねられることなく、半ば強制的にその小さな冒険に狩り出されることになってしまった。
私達の釣って来た数匹の小魚を見て、呆れた声でローズはそう言った。
「ほんに、おまえさん達はなにをやらせてもへたくそじゃのう…」
さらに追い討ちをかけるように、横からジョセフが口を出す。
「俺達は、これからのことを語り合ってて、釣りは真剣にやらなかっただけだ!
な、マルタン!」
「まぁええ。
わしが採ってきた魚があるからな。
おまえさん達のとは違って大きなやつがな!」
「別に俺は魚なんて食べたかないよ!」
いつものようにつまらない口喧嘩で、今夜の夕食も始まった。
「ローズ、酒はもうないのか?」
「もうないさ。
あんたらががぶがぶ飲んでしまったからな。」
「この島に酒屋なんてないよな?
じゃあ、本土まで買いに行くしかないのか?」
「そうさ。
あ…でも…」
「なにかあるのか…」
「……あんたら…明日はちょっとした冒険に行って来たらどうだい?」
「冒険?なんだ、そりゃあ?」
「実はな、ここにたまにあの甘い果物を採りに来る男がおるんじゃが、その男が果物のお礼といって酒をくれるんじゃ。
今まであんたらが飲んでたあれじゃな。
その男は、この近くの無人島に一人で住んでるそうで、そこで酒を作っとるそうじゃ。
どうじゃ?あんたらはその男の住む島を見つけ出し、酒をもらってこれるかのう?」
「なんだ、そんなことか、簡単なことじゃないか!」
「じゃあ、明日、あんたら二人で行って来るんじゃな。」
「えっ?!俺とマルタンと二人でか?」
「なんじゃ、やっぱり心配なのか?」
「し、心配なことなんてあるもんか!
よし!行ってやろうじゃないか!
すぐにもらって来るから待ってろよ!」
私の意思は一言も尋ねられることなく、半ば強制的にその小さな冒険に狩り出されることになってしまった。
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