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050 : 秘蔵の銘酒
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「……いやじゃないさ。
でも、海底神殿を探すのはかなり大変そうじゃないか。
きっと相当な時間がかかるぞ。
ここに戻って来るのは、私達がジョセフさん程の…いや、もっと年寄りになってからのことかもしれないぞ。」
「やっぱりそんなにかかるかなぁ…
そんなにかかっちゃ、じいさんもばあさんももう死んじまってるな。
………いや、それより先に俺がもう死んでるかもしれないな…」
「リュック…そういうことを考えるのはよせ…」
リュックは何も言わず、ただ俯いていた。
「まずは、資金稼ぎだな!」
「えっ!?」
「海底神殿を探すには莫大な金がいるって、ジョセフさんも言ってたじゃないか。
南の方へ旅をするにも金がいる。
だから…そうだ!
これからは俺達も働いて金を貯めよう!
そして、情報を探して一日でも早く海底神殿をみつけないとな!」
「……あ、あぁ…そうだな。
うん、そうしよう!」
私はこの時、漠然と旅の目的らしきものをみつけたような気がした。
そうだ…
これからは、この青年のために…この青年の夢につきあうのも良いかもしれない。
海底神殿なんてものが本当にあるかどうかはわからない。
いや、万一あった所で、そんな海の底にあるものをみつけられるとは思えない。
だが、もしかしたらジョセフの言っていた海底神殿の女神像といわれるものくらいはみつかるかもしれないではないか。
たとえ、馬鹿げたことであっても、何のあてもないよりはずっと良い…
「リュック!
頑張ろうな!!」
「あ…あぁ…
どうしたんだ?マルタン。
やけにやる気じゃないか!」
「そんなことないさ…
でも、本当に大丈夫なのか?
君はこの島の幽霊たちが怖くないのか?」
「あぁ…暗い時間に外に出なけりゃ大丈夫さ。」
「なんだ、やっぱり怖いんじゃないか!」
「怖くないって!!」
大きな声を出して否定するリュックを見ていると、思わず笑みがこぼれた。
でも、海底神殿を探すのはかなり大変そうじゃないか。
きっと相当な時間がかかるぞ。
ここに戻って来るのは、私達がジョセフさん程の…いや、もっと年寄りになってからのことかもしれないぞ。」
「やっぱりそんなにかかるかなぁ…
そんなにかかっちゃ、じいさんもばあさんももう死んじまってるな。
………いや、それより先に俺がもう死んでるかもしれないな…」
「リュック…そういうことを考えるのはよせ…」
リュックは何も言わず、ただ俯いていた。
「まずは、資金稼ぎだな!」
「えっ!?」
「海底神殿を探すには莫大な金がいるって、ジョセフさんも言ってたじゃないか。
南の方へ旅をするにも金がいる。
だから…そうだ!
これからは俺達も働いて金を貯めよう!
そして、情報を探して一日でも早く海底神殿をみつけないとな!」
「……あ、あぁ…そうだな。
うん、そうしよう!」
私はこの時、漠然と旅の目的らしきものをみつけたような気がした。
そうだ…
これからは、この青年のために…この青年の夢につきあうのも良いかもしれない。
海底神殿なんてものが本当にあるかどうかはわからない。
いや、万一あった所で、そんな海の底にあるものをみつけられるとは思えない。
だが、もしかしたらジョセフの言っていた海底神殿の女神像といわれるものくらいはみつかるかもしれないではないか。
たとえ、馬鹿げたことであっても、何のあてもないよりはずっと良い…
「リュック!
頑張ろうな!!」
「あ…あぁ…
どうしたんだ?マルタン。
やけにやる気じゃないか!」
「そんなことないさ…
でも、本当に大丈夫なのか?
君はこの島の幽霊たちが怖くないのか?」
「あぁ…暗い時間に外に出なけりゃ大丈夫さ。」
「なんだ、やっぱり怖いんじゃないか!」
「怖くないって!!」
大きな声を出して否定するリュックを見ていると、思わず笑みがこぼれた。
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