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ルカ(聖夜月ルカ)

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048 : 枯れ井戸のウワサ

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「あ、あの女…!
……あ……ひ…ひぃっっ!!」

「どうした!あの女、ここから飛びやがったのか?」



男が引きつった顔をして無言で指差す先にクラリスは倒れていた。
おかしな具合に折れ曲がった首…憎悪に燃える目をかっと見開き、井戸の上から見降ろす男達を激しく睨み付けていた。



(な、なんて、ひでぇ顔をしてやがるんだ…!!)



「……お、おいっ!土を運べ!!
ここから、土を放りこむんだ!」



男達は土を運び、枯れ井戸に投げ込んだ。
汗まみれになりながら、大量の土を運んでは何度も何度も投げ込んだ。

クラリスのあの目が完全に見えなくなるまで…あの目を忘れてしまえるまで深く深く…



「……みんな、ズラかるぜ!」

「こんな後味の悪いことは初めてだ。」

「さっさと帰ろうぜ!」



海賊達は、逃げるように島を後にした。

小舟が沖の方へ出た頃、男達は不吉な異変に気が付いた。




「み、水だ!
なんてことだ!船底に穴が開いてやがる…!」

「かき出せ!俺が押さえてるから、お前達は水をかき出すんだ!」



しかし、入りこんでくる水は勢いを増すばかりだった。



「畜生!!この船はもうだめだ!
泳げ!皆、泳ぐんだ!」



男達は、小舟を諦め海に飛び込んだ。
しかし、いくら海に慣れた海賊とはいえ、そんなに長く泳いでいられるはずもなかった。
やがて男達は力尽き、彼らの身体は、一人…また一人と、冷たい海の中へ消えていった…

 
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