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048 : 枯れ井戸のウワサ
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それから、一週間の時が流れたが、村に変わったことはなくいつも通りの日々が続いた。
「ファビオ、あれからなにもないようだが、やはりあの船の海賊はみんな海で死んでしまったんじゃないだろうか?」
「父さん、まだ一週間ですよ。
もう少し様子を見てみなくては…」
「本当におまえは用心深いんだな。
そういう所は死んだ母さんにそっくりだ。
宝の隠し場所も、私にさえ教えてくれないのだからな。」
「秘密なんてものは、知らない方が楽ですよ。
父さんは、余計なことを考えず、身体のことだけ考えてくれたらそれで良いんですよ。」
「ありがとう、ファビオ…」
あの場所のことは、幼い頃からファビオとクラリスとエディしか知らない。
三人とも家族にさえ言っていなかった。
枯れているとはいえ、あの井戸は深い。
そんな所で遊んでいることが知られれば、当然、叱られるに決まっている。
それでも、彼らはあの場所が好きだった。
ある時、ファビオが上からのぞかれてもバレない横穴のことを思いつき、それから三人で毎日掘った。
中でもエディは昔から身体も大きく力も強かったため、彼のおかげで横穴の掘削作業はずいぶんとはかどった。
横穴が出来てからは、なおさら「秘密基地」としての雰囲気が高まり、さらに三人のお気に入りの場所となっていった。
しかし、そんなお気に入りの場所へも大人になるにつれ、行かなくなった。
こんなことがなければ、今回もきっと行く事はなかっただろう。
いや、永久に行かなかったかもしれない…
海賊船が流れ着いてから十日ほどが経った頃だった。
「大変だ!海賊だ~!海賊がやってきたぞ~!!」
男が血相を変えて村の中心部に走りこんで来た。
ファビオ達が浜辺に急ぐと、二艘の小舟が近付いてくるのが見えた。
片方には三人、もう片方には二人の男が乗っていた。
「これはこれは…
島民全員でお出迎えとはありがとたいことだな!」
いかにもずる賢そうな顔をした体格の良い男が、足をひきずりながら歩いてきた。
「一体この島になんの用だ!」
ファビオが海賊の前に進み出る。
「それは、十分わかってるんじゃないのか?
俺達のものを返してもらおうと思ってな…」
「何のことだ?!」
「ファビオ、あれからなにもないようだが、やはりあの船の海賊はみんな海で死んでしまったんじゃないだろうか?」
「父さん、まだ一週間ですよ。
もう少し様子を見てみなくては…」
「本当におまえは用心深いんだな。
そういう所は死んだ母さんにそっくりだ。
宝の隠し場所も、私にさえ教えてくれないのだからな。」
「秘密なんてものは、知らない方が楽ですよ。
父さんは、余計なことを考えず、身体のことだけ考えてくれたらそれで良いんですよ。」
「ありがとう、ファビオ…」
あの場所のことは、幼い頃からファビオとクラリスとエディしか知らない。
三人とも家族にさえ言っていなかった。
枯れているとはいえ、あの井戸は深い。
そんな所で遊んでいることが知られれば、当然、叱られるに決まっている。
それでも、彼らはあの場所が好きだった。
ある時、ファビオが上からのぞかれてもバレない横穴のことを思いつき、それから三人で毎日掘った。
中でもエディは昔から身体も大きく力も強かったため、彼のおかげで横穴の掘削作業はずいぶんとはかどった。
横穴が出来てからは、なおさら「秘密基地」としての雰囲気が高まり、さらに三人のお気に入りの場所となっていった。
しかし、そんなお気に入りの場所へも大人になるにつれ、行かなくなった。
こんなことがなければ、今回もきっと行く事はなかっただろう。
いや、永久に行かなかったかもしれない…
海賊船が流れ着いてから十日ほどが経った頃だった。
「大変だ!海賊だ~!海賊がやってきたぞ~!!」
男が血相を変えて村の中心部に走りこんで来た。
ファビオ達が浜辺に急ぐと、二艘の小舟が近付いてくるのが見えた。
片方には三人、もう片方には二人の男が乗っていた。
「これはこれは…
島民全員でお出迎えとはありがとたいことだな!」
いかにもずる賢そうな顔をした体格の良い男が、足をひきずりながら歩いてきた。
「一体この島になんの用だ!」
ファビオが海賊の前に進み出る。
「それは、十分わかってるんじゃないのか?
俺達のものを返してもらおうと思ってな…」
「何のことだ?!」
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