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048 : 枯れ井戸のウワサ
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「私は…正直言ってわからない。
そういうものがいないという確証もなければ、あるという確証もない。
ただ、私は見たことはないが、自分が見たものがこの世の全てではないということは常に感じている。」
「……あんたらしい答えだな。
あんたは、もしかしたら以前学者か何かだったんじゃないか?」
「なぜ、そう思う?」
「理屈っぽいからな。」
リュックのその言葉にクロワが微笑んだ。
「私はそんなに理屈っぽいですか?」
「い、いえ…そんなことはありませんわ。」
「お~い!何をしゃべっとるんじゃ!
今夜は、ばあさんがわしらにご馳走してくれるらしいぞ!
さぁ、出かけるぞ!」
ジョセフに呼ばれ、私達は老女の家に着いていくことになった。
そこは、老女が一人で住むには十分過ぎる家だった。
なんでも、以前この島に住んでいた金持ちの家だったらしい。
クロワが手伝い、すぐに夕食の準備が整った。
広いテーブルを皆で囲む。
「一人じゃこんなに広くなくても良いんじゃが、どうせなら狭いよりも広い所の方が気持ちが良いからな。
金持ちの家だけに頑丈じゃしな!」
ローズと呼ばれるこの老女は、ジョセフによく似た明け透けな性格の女だった。
リュックとジョセフだけでもずいぶんと騒がしいというのに、そこへローズが加わったものだから、家の中はさらに騒がしいものとなった。
「なぁ、ばあさん、ここに幽霊が出るって話なんだけどさ…」
「あぁ、枯れ井戸のべっぴんさんじゃな。」
「えっ!ま、まさか、ばあさんもその幽霊を見た事があるのか?!」
「あぁ、あるさ…何度もな。」
「なんじゃと!ローズ、今まで、おまえさん、そんな話はしなかったじゃないか!」
「それは、あんたが幽霊なんて信じないって言うからさ。」
「ほら見ろ!やっぱり、ここには本当に幽霊が出るんだ!
で、ばあさん!どんな幽霊なんだ?
さっきべっぴんさんって言ったか?」
「あぁ、そうだよ。
まだ若いとても綺麗な女の幽霊じゃ。
長い金髪の巻き毛で、山吹色のドレスを着て…」
「うっ…うそだ!」
リュックの顔は青ざめていた。
「嘘じゃあない。
裾に花の模様が刺繍されたドレスを着た若い女じゃよ。」
リュックの身体が小刻みに震えていることに私は気付いた。
そういうものがいないという確証もなければ、あるという確証もない。
ただ、私は見たことはないが、自分が見たものがこの世の全てではないということは常に感じている。」
「……あんたらしい答えだな。
あんたは、もしかしたら以前学者か何かだったんじゃないか?」
「なぜ、そう思う?」
「理屈っぽいからな。」
リュックのその言葉にクロワが微笑んだ。
「私はそんなに理屈っぽいですか?」
「い、いえ…そんなことはありませんわ。」
「お~い!何をしゃべっとるんじゃ!
今夜は、ばあさんがわしらにご馳走してくれるらしいぞ!
さぁ、出かけるぞ!」
ジョセフに呼ばれ、私達は老女の家に着いていくことになった。
そこは、老女が一人で住むには十分過ぎる家だった。
なんでも、以前この島に住んでいた金持ちの家だったらしい。
クロワが手伝い、すぐに夕食の準備が整った。
広いテーブルを皆で囲む。
「一人じゃこんなに広くなくても良いんじゃが、どうせなら狭いよりも広い所の方が気持ちが良いからな。
金持ちの家だけに頑丈じゃしな!」
ローズと呼ばれるこの老女は、ジョセフによく似た明け透けな性格の女だった。
リュックとジョセフだけでもずいぶんと騒がしいというのに、そこへローズが加わったものだから、家の中はさらに騒がしいものとなった。
「なぁ、ばあさん、ここに幽霊が出るって話なんだけどさ…」
「あぁ、枯れ井戸のべっぴんさんじゃな。」
「えっ!ま、まさか、ばあさんもその幽霊を見た事があるのか?!」
「あぁ、あるさ…何度もな。」
「なんじゃと!ローズ、今まで、おまえさん、そんな話はしなかったじゃないか!」
「それは、あんたが幽霊なんて信じないって言うからさ。」
「ほら見ろ!やっぱり、ここには本当に幽霊が出るんだ!
で、ばあさん!どんな幽霊なんだ?
さっきべっぴんさんって言ったか?」
「あぁ、そうだよ。
まだ若いとても綺麗な女の幽霊じゃ。
長い金髪の巻き毛で、山吹色のドレスを着て…」
「うっ…うそだ!」
リュックの顔は青ざめていた。
「嘘じゃあない。
裾に花の模様が刺繍されたドレスを着た若い女じゃよ。」
リュックの身体が小刻みに震えていることに私は気付いた。
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