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ルカ(聖夜月ルカ)

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040 : 海底神殿

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そう言って少しはにかみながらジルベールが語った所によると、あまり詳しいことはわからないが二人は若い頃にどこかで海底神殿の噂を聞きつけ、すっかりその魅力に取りつかれてしまったらしい。
そして、それを探しているうちに二人はある海域で出会ったということだった。

二人は年齢が近かったこともあってか、お互いをライバル視し、どちらが先に海底神殿をみつけるかという賭けをした。

だが、バスティア家の先々代は父親の体調が思わしくないということで早々に引き上げざるを得なくなり、ジルベールの祖父はその後も探し続けたが、一年後にはついにその父親から資金の送金を差し止められ、仕方なく家に戻ったらしい。

バスティア家の先々代は家に戻ってから新たに地下庭園を思い付いたことから海底神殿についてはいつの間にか興味を失ってしまったようだが、ジルベールの祖父はその後もずっと海底神殿をみつけだすという夢を忘れることが出来ず、幼い頃のジルベールにもよく話を聞かせていたのだという。



「海底神殿ってことは、じゃ、水の中でも暮らしていける人間がいるってことか?
ってことは、そこは人魚の神殿なのか?」

「まさか!そうではないだろう。
元々は地上にあったものが、地震かなにかで海中に沈んだということじゃないか?」

「なるほどな、そういう考え方もあるな。
ジルベールさん、それで本当はどっちなんだ?」

「私にもわかりません。
海底神殿については様々な伝説があったようですが、マルタンさんのおっしゃるような説を唱える者や、誰かが海の中にわざわざ作ったのだという者もいます。
でも、それが人魚だなんてことは考えたことがありませんでしたよ。
リュックさんは実に自由な想像力をお持ちですな!
あなたは小説かなにか書かれたら良いかもしれませんよ。」

「馬鹿なこと言わないでくれよ。
俺は、綺麗な言葉なんてまるで思い付きやしない。
頭も良くないから、小説なんてとても無理さ。」

「文章は何も美しいばかりが良いものではありませんよ。
心の感じたものを感じた通りに、あなたの言葉で表現すれば良いんですよ。」

「そうか…なにも小難しく考えることはないってことだな。」


 
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