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037 : 影の石
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やがて、仮面の騎士は城の近くである噂を耳にする。
太陽の番兵達のまばゆい光は雨が降ろうが嵐になろうが決して衰えることはないが、彼らにもただ一つだけ苦手なものがある。
それは「影の石」というもので、それを近くに持って来られるとたちまちその光は暗く沈んでしまうというのだ。
仮面の騎士は、森の奥深くに住む魔女の所へ向かう。
真っ黒な長いローブを身に纏った白髪頭の老婆だ。
巧みなメイクアップのためなのだろうか、まるで本物の老女のように見える。
その魔女はとても評判の悪い魔女だったが、不思議な力や不思議な物を持っているということで知られていたので、仮面の騎士はそこへ行けば「影の石」が手にはいるのではないかと考えたのだ。
彼の思った通り、魔女はその石を持っていた。
仮面の騎士が「どうかそれを譲ってくれ」と願い、「それはとても貴重なものだからそう簡単には渡せない」といったやりとりを二人の声が交互に歌いあげる。
まるで、声と声との戦いのようだ。
魔女はついに条件を持ちかけた。
その条件とは、仮面の騎士に「影の石」をやる代わりに彼の命をもらうというひどいものだ。
「もちろん、全部とは言わない。
おまえには三日の命を残してやる」と、小憎たらしい顔をして言い放ち、最後には声高らかに笑った。
芝居とは言え、本当に腹の立つ魔女だ。
仮面の騎士は、悩んだ挙句に魔女の出したその無茶な条件を飲み、契約書にサインをした。
そして、やっと彼は「影の石」を手に入れたのだ。
仮面の騎士は、そのまますぐに姫のいる城へと向かう。
城に着くと、昼間のように明るい城の中へ向かって、彼は「影の石」を投げ入れた。
それと同時に舞台は暗転し、けたたましい人々の悲鳴や物音だけが聞こえる。
太陽の番兵達のまばゆい光は雨が降ろうが嵐になろうが決して衰えることはないが、彼らにもただ一つだけ苦手なものがある。
それは「影の石」というもので、それを近くに持って来られるとたちまちその光は暗く沈んでしまうというのだ。
仮面の騎士は、森の奥深くに住む魔女の所へ向かう。
真っ黒な長いローブを身に纏った白髪頭の老婆だ。
巧みなメイクアップのためなのだろうか、まるで本物の老女のように見える。
その魔女はとても評判の悪い魔女だったが、不思議な力や不思議な物を持っているということで知られていたので、仮面の騎士はそこへ行けば「影の石」が手にはいるのではないかと考えたのだ。
彼の思った通り、魔女はその石を持っていた。
仮面の騎士が「どうかそれを譲ってくれ」と願い、「それはとても貴重なものだからそう簡単には渡せない」といったやりとりを二人の声が交互に歌いあげる。
まるで、声と声との戦いのようだ。
魔女はついに条件を持ちかけた。
その条件とは、仮面の騎士に「影の石」をやる代わりに彼の命をもらうというひどいものだ。
「もちろん、全部とは言わない。
おまえには三日の命を残してやる」と、小憎たらしい顔をして言い放ち、最後には声高らかに笑った。
芝居とは言え、本当に腹の立つ魔女だ。
仮面の騎士は、悩んだ挙句に魔女の出したその無茶な条件を飲み、契約書にサインをした。
そして、やっと彼は「影の石」を手に入れたのだ。
仮面の騎士は、そのまますぐに姫のいる城へと向かう。
城に着くと、昼間のように明るい城の中へ向かって、彼は「影の石」を投げ入れた。
それと同時に舞台は暗転し、けたたましい人々の悲鳴や物音だけが聞こえる。
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