307 / 641
034 : 地下庭園
6
しおりを挟む
大きな扉を開けるとそこは大理石を敷き詰めた広い玄関ポーチで、天井には煌くようなクリスタルのシャンデリアがかかっていた。
夜になれば蝋燭の光に照らされて、さぞ美しい光を灯してくれるのだろう。
それを抜け、私達は地下へと続く長い階段を降りて行った。
異常な程に長い階段だ。
階段の突き当たりには重そうな扉があり、私達の前を歩いていた男はその扉を力を込めてぐいと引き開けた。
「どうぞ、こちらです。」
「こ…これは…!!」
私は目の前に広がる光景が信じられなかった。
これが本当に地下だというのか…?!
陽の光がさんさんと射し込むその場所には、色とりどりの花々が咲き乱れている。
よく見ると、今の季節には見掛けることのないような花までもが咲いている。
噂に聞いていた通り、ここはまさにこの世の楽園のようだった。
「こちらへは初めてのようですな。」
その場に立ち尽くし、言葉を失っている私達に一人の老人が声をかけてきた。
「え、ええ…その通りです。」
私はそれだけを言うのがやっとだった。
リュックは、まだその光景に心を奪われたまま呆然としていた。
「私も初めてここへ来た時は、あなた方と同じようになりましたよ。
いやはや…大金持ちとはとんでもないことを考え付くものですな。」
私達は片隅のベンチに腰をかけ、老人からここについての話を聞いた。
なんでも、この庭園の奥の天井の一部は屋敷の屋根まで吹き抜けになっており、屋敷の屋根は硝子張りになっているということだった。
つまり、そこから太陽の光を地下に採り込み、さらにその光を無数の鏡の反射によって全体に行き渡らせるという仕組みらしい。
その他にも、壁の四方に明かり採りと風を取り込むための小さな窓のようなものが設えてあり、水は地下水脈からひいているそうだ。
「すごいとしか言えませんね。
まず、こんなに深い地下を掘っただけでも信じられない想いです。」
夜になれば蝋燭の光に照らされて、さぞ美しい光を灯してくれるのだろう。
それを抜け、私達は地下へと続く長い階段を降りて行った。
異常な程に長い階段だ。
階段の突き当たりには重そうな扉があり、私達の前を歩いていた男はその扉を力を込めてぐいと引き開けた。
「どうぞ、こちらです。」
「こ…これは…!!」
私は目の前に広がる光景が信じられなかった。
これが本当に地下だというのか…?!
陽の光がさんさんと射し込むその場所には、色とりどりの花々が咲き乱れている。
よく見ると、今の季節には見掛けることのないような花までもが咲いている。
噂に聞いていた通り、ここはまさにこの世の楽園のようだった。
「こちらへは初めてのようですな。」
その場に立ち尽くし、言葉を失っている私達に一人の老人が声をかけてきた。
「え、ええ…その通りです。」
私はそれだけを言うのがやっとだった。
リュックは、まだその光景に心を奪われたまま呆然としていた。
「私も初めてここへ来た時は、あなた方と同じようになりましたよ。
いやはや…大金持ちとはとんでもないことを考え付くものですな。」
私達は片隅のベンチに腰をかけ、老人からここについての話を聞いた。
なんでも、この庭園の奥の天井の一部は屋敷の屋根まで吹き抜けになっており、屋敷の屋根は硝子張りになっているということだった。
つまり、そこから太陽の光を地下に採り込み、さらにその光を無数の鏡の反射によって全体に行き渡らせるという仕組みらしい。
その他にも、壁の四方に明かり採りと風を取り込むための小さな窓のようなものが設えてあり、水は地下水脈からひいているそうだ。
「すごいとしか言えませんね。
まず、こんなに深い地下を掘っただけでも信じられない想いです。」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる