お題小説

ルカ(聖夜月ルカ)

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025 : 牢獄の賢者

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次の朝、ケヴィンが、私達の泊まる宿にやってきた。

「マルタンさん、昨夜、この町の神父様にいろいろとお話をうかがい、ある修道院を紹介していただくことになりました。
しばらくは、そこで勉強することになりそうです。」

「そうですか、それは良かったですね!
こんなにも早くお話が進むとは…」

「はい。心配も多々あるのですが、神父様が、何かを始めるのにあたって、遅すぎるなんてことは何もないと仰って下さって…その言葉がとても励みになりました。
マルタンさん、クロワさん、私、頑張りますよ!」

「その意気ですよ、ケヴィンさん!」

「ありがとうございました。
あなた方に出会わなければ、今、私はここにはいなかったでしょうし、こんな気持ちにもならなかったのでしょうね…
本当に感謝しています。」

「いえ…これは、あなたが決め、選ばれた道ですよ。
私達に出会ったのは、きっかけに過ぎません。」

「本当にありがとう…
……ところで、あなた方はこれからどちらへ?」

「この先の町へ行くつもりです。
なんでも、シャトランの大会とやらがあるそうで…」

「シャトラン!
それはたいそう賑やかになるでしょうね。」

「ケヴィンさんはシャトランをご存知なのですか?」

「ええ、もちろん!
シャトランを知らない者は子供にだっていやしませんよ。
でも、あなたがご存知でないんだとしたら、シャトランはもしかしたらこのあたりだけのものなんでしょうか?」

シャトランとは、ケヴィンの話によれば、ボードゲームの一種のようだ。
駒を動かして、そのルールにより相手方の駒を奪い取る。
どこにでもあるようなゲームだが、とにかく、このあたりではシャトランはたいそう人気の高いものらしく、毎年シャトランの大会が開催されているらしい。

大会にはこのあたりのプレーヤーが多く集まり、祭りのように賑わうということだった。



「では、お気を付けて…」

「ケヴィンさんもどうぞお元気で!
勉強、頑張って下さいね!」

ケヴィンは私達の姿が見えなくなるまでずっと手を振ってくれた。
いつの日か、彼の建てた教会を見に再びあの村を訪れたいものだと思った。

シャトランの大会が行われる町は、山を一つ越えた所にある。

それほどきつい道程ではないだろう…

 
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