223 / 641
022 : 来客
25
しおりを挟む
*
ちょうどその時だった…
「…あれ~~?
お嬢ちゃんはこのまえいちゃついてたあのお嬢ちゃんじゃないのかい?」
「今日は、お相手が違うじゃないか。
お嬢ちゃんは浮気者だな。
今度は俺達も仲間に入れておくれよ。」
片方の男がマリアンヌの腕に触った。
「やめて下さい!」
「やめろよ!!
マリアンヌに触るな!」
「ほぉ~…マリアンヌちゃんっていうのかい。
可愛らしい名前だこと…」
男は、マリアンヌ腕に頬ずりを始めた。
「やめて!!」
「あれ~?
お嬢ちゃん、もしかして足が悪いのかい?」
「まぁ、構わないけどな。
お嬢ちゃんは黙って横になってりゃ良いんだよ。
あとは俺達が全部やってやるからな。」
男達は下卑た笑いを浮かべ、ギラギラと野獣のように瞳を輝かせていた。
「おまえら、何考えてやがる!マリアンヌから離れろ!」
「本当にうるさいガキだな…」
「お楽しみの前に、身体ほぐしの運動でもするか。」
男達は、二人がかりでイシドールを殴り、投げ、蹴り続けた。
華奢なイシドールにはなす術がない。
「やめて~~!
誰か!誰か来て~!
イシドールを助けて~!」
マリアンヌはあたりに向かって、あらん限りの声で叫び続けた。
そのうち一人の男が喧嘩に気付き、そこらにいた男達と共に浜辺に駆け付けた。
「こら~!!何をしてるんだ~!」
「チッ!たくさん来やがったな。ズラかろうぜ!」
男達はイシドールから手を離し、走ってどこかへ逃げていった。
「大丈夫か!
こりゃあ、ひでぇやられ方だな…
あ!おまえ、イシドールじゃないか!?」
イシドールは、着ていた服もずたずたに引き裂かれ、至る所から血を流していた。
マリアンヌはそんなイシドールにすがり、泣きじゃくるばかりだった。
「イシドール…しっかりして…
イシドール…!」
「イシドールはゴーチェの家にいるんだったな。
とにかく、ゴーチェの家に運ぼう!」
男が、イシドールを背負った時のことだった。
「な、なんだ、これは…!」
「こ、こいつは…」
イシドールの背中のあの痣が血と砂の隙間からその姿を顕わにしていた。
「やめて!見ないで~~!!」
ちょうどその時だった…
「…あれ~~?
お嬢ちゃんはこのまえいちゃついてたあのお嬢ちゃんじゃないのかい?」
「今日は、お相手が違うじゃないか。
お嬢ちゃんは浮気者だな。
今度は俺達も仲間に入れておくれよ。」
片方の男がマリアンヌの腕に触った。
「やめて下さい!」
「やめろよ!!
マリアンヌに触るな!」
「ほぉ~…マリアンヌちゃんっていうのかい。
可愛らしい名前だこと…」
男は、マリアンヌ腕に頬ずりを始めた。
「やめて!!」
「あれ~?
お嬢ちゃん、もしかして足が悪いのかい?」
「まぁ、構わないけどな。
お嬢ちゃんは黙って横になってりゃ良いんだよ。
あとは俺達が全部やってやるからな。」
男達は下卑た笑いを浮かべ、ギラギラと野獣のように瞳を輝かせていた。
「おまえら、何考えてやがる!マリアンヌから離れろ!」
「本当にうるさいガキだな…」
「お楽しみの前に、身体ほぐしの運動でもするか。」
男達は、二人がかりでイシドールを殴り、投げ、蹴り続けた。
華奢なイシドールにはなす術がない。
「やめて~~!
誰か!誰か来て~!
イシドールを助けて~!」
マリアンヌはあたりに向かって、あらん限りの声で叫び続けた。
そのうち一人の男が喧嘩に気付き、そこらにいた男達と共に浜辺に駆け付けた。
「こら~!!何をしてるんだ~!」
「チッ!たくさん来やがったな。ズラかろうぜ!」
男達はイシドールから手を離し、走ってどこかへ逃げていった。
「大丈夫か!
こりゃあ、ひでぇやられ方だな…
あ!おまえ、イシドールじゃないか!?」
イシドールは、着ていた服もずたずたに引き裂かれ、至る所から血を流していた。
マリアンヌはそんなイシドールにすがり、泣きじゃくるばかりだった。
「イシドール…しっかりして…
イシドール…!」
「イシドールはゴーチェの家にいるんだったな。
とにかく、ゴーチェの家に運ぼう!」
男が、イシドールを背負った時のことだった。
「な、なんだ、これは…!」
「こ、こいつは…」
イシドールの背中のあの痣が血と砂の隙間からその姿を顕わにしていた。
「やめて!見ないで~~!!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ブラック・スワン ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~
碧
ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
わけありのイケメン捜査官は英国名家の御曹司、潜入先のロンドンで絶縁していた家族が事件に
川喜多アンヌ
ミステリー
あのイケメンが捜査官? 話せば長~いわけありで。
もしあなたの同僚が、潜入捜査官だったら? こんな人がいるんです。
ホークは十四歳で家出した。名門の家も学校も捨てた。以来ずっと偽名で生きている。だから他人に化ける演技は超一流。証券会社に潜入するのは問題ない……のはずだったんだけど――。
なりきり過ぎる捜査官の、どっちが本業かわからない潜入捜査。怒涛のような業務と客に振り回されて、任務を遂行できるのか? そんな中、家族を巻き込む事件に遭遇し……。
リアルなオフィスのあるあるに笑ってください。
主人公は4話目から登場します。表紙は自作です。
主な登場人物
ホーク……米国歳入庁(IRS)特別捜査官である主人公の暗号名。今回潜入中の名前はアラン・キャンベル。恋人の前ではデイヴィッド・コリンズ。
トニー・リナルディ……米国歳入庁の主任特別捜査官。ホークの上司。
メイリード・コリンズ……ワシントンでホークが同棲する恋人。
カルロ・バルディーニ……米国歳入庁捜査局ロンドン支部のリーダー。ホークのロンドンでの上司。
アダム・グリーンバーグ……LB証券でのホークの同僚。欧州株式営業部。
イーサン、ライアン、ルパート、ジョルジオ……同。
パメラ……同。営業アシスタント。
レイチェル・ハリー……同。審査部次長。
エディ・ミケルソン……同。株式部COO。
ハル・タキガワ……同。人事部スタッフ。東京支店のリストラでロンドンに転勤中。
ジェイミー・トールマン……LB証券でのホークの上司。株式営業本部長。
トマシュ・レコフ……ロマネスク海運の社長。ホークの客。
アンドレ・ブルラク……ロマネスク海運の財務担当者。
マリー・ラクロワ……トマシュ・レコフの愛人。ホークの客。
マーク・スチュアート……資産運用会社『セブンオークス』の社長。ホークの叔父。
グレン・スチュアート……マークの息子。
当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
転移先は薬師が少ない世界でした
饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。
神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。
職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。
神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。
街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。
薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。
傷者部
ジャンマル
青春
高校二年生に上がった隈潟照史(くまがた あきと)は中学の時の幼なじみとのいざこざを未だに後悔として抱えていた。その時の後悔からあまり人と関わらなくなった照史だったが、二年に進学して最初の出席の時、三年生の緒方由紀(おがた ゆき)に傷者部という部活に入ることとなるーー
後悔を抱えた少年少女が一歩だけ未来にあゆみ出すための物語。
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる