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022 : 来客
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「本当か!
マリアンヌ、本当に外に出たのか?」
「父さん、驚き過ぎよ。
私が外に出るのがそんなに珍しい?」
「当たり前じゃないか。
おまえはここへ来てから、一度も外に出なかったじゃないか…!」
「気持ちが変わったのよ。
私、これからもどんどん外に出るわ!
外は家と違って気持ちが良いんですもの!」
「マリアンヌ…おまえ…」
「いや~ね、父さんったら、なぜ泣くの?」
「そういうおまえだって…」
それからというもの、マリアンヌは毎日散歩をしたがるようになった。
町で誰かにすれ違っても、平気な顔をしている。
今までの彼女なら、背負われてる姿を見られるだけでも嫌がっただろうに…
マリアンヌは雨の日にまで外に出たがり、わざわざ雨にあたって歓声をあげた。
元々のマリアンヌは、こんな風にきっと無邪気で明るい女性なのだろうと私は思った。
それが不慮の事故によって、心と身体に大き過ぎる傷を負ってしまったため変わらざるを得なかったのだ…
そして今、再び本来の彼女に戻ろうとしているのだ。
散歩のおかげで私ともずいぶん打ち解けてきた感じがする。
最近では私に対して冗談まで言うようになっていた。
「本当か!
マリアンヌ、本当に外に出たのか?」
「父さん、驚き過ぎよ。
私が外に出るのがそんなに珍しい?」
「当たり前じゃないか。
おまえはここへ来てから、一度も外に出なかったじゃないか…!」
「気持ちが変わったのよ。
私、これからもどんどん外に出るわ!
外は家と違って気持ちが良いんですもの!」
「マリアンヌ…おまえ…」
「いや~ね、父さんったら、なぜ泣くの?」
「そういうおまえだって…」
それからというもの、マリアンヌは毎日散歩をしたがるようになった。
町で誰かにすれ違っても、平気な顔をしている。
今までの彼女なら、背負われてる姿を見られるだけでも嫌がっただろうに…
マリアンヌは雨の日にまで外に出たがり、わざわざ雨にあたって歓声をあげた。
元々のマリアンヌは、こんな風にきっと無邪気で明るい女性なのだろうと私は思った。
それが不慮の事故によって、心と身体に大き過ぎる傷を負ってしまったため変わらざるを得なかったのだ…
そして今、再び本来の彼女に戻ろうとしているのだ。
散歩のおかげで私ともずいぶん打ち解けてきた感じがする。
最近では私に対して冗談まで言うようになっていた。
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