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020 : 妖精のお茶会
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「ニコラさん、気分はどうだ?」
気がつくと、俺は、自宅のベッドに寝ていた。
そうか…
今のは夢だったんだ…
ひどい夢を見てしまった…
そう思いたかったのだが、アランの悲しそうな顔を見て、俺はすぐに現実に引き戻された。
「ニコラさん…すまない…」
アランは俺の手を握り、涙を流してくれた。
「おまえのせいじゃないさ。
三人が相手じゃ敵うわけはない…
彼女のために戦ってくれてありがとうよ…」
「ニコラさん…!!
一ヶ月もの長い間、どこに行ってたんだよ…
あと少し早く帰れたら…」
「……一ヶ月…?」
俺がここを離れていたのはせいぜい十日のはず…
「……あ…」
俺は思い出した…
妖精の爺さんが言っていた言葉を…
「ここでは時間がゆっくりだ」と言っていたことを…
彼女は俺がなかなか戻ってこないのを心配して、浜辺までやってきたのだろう…
そして、グレンの口から俺の名前を聞き、友達だと思って気を許してしまったんだな…
なんてことだ…
俺は、夜中にこっそりと小屋に戻った。
そして、彼女の黒髪や骨を集め、袋に詰めた。
俺は古戦場を目指した。
あそこには、今でも死んだ戦士の亡霊が出ると言う噂があり、近寄る者がいなかったからだ。
「オリヴィア…おまえを一人にはしないからな…」
俺は、死に場所を探して古戦場をさ迷った。
やがて草むらの中に小さな洞窟をみつけた。
戦士たちの隠れ場所だった場所なのだろうか?
洞窟の一番奥に小さな窪みがあった。
何かを納めるような場所に思えた。
俺は、髪を切った。
そして、自分の小指を切り落とし、彼女を入れた袋にそれらを入れ窪みに納めた。
(これでもう寂しくないだろ…)
切り落とした指の跡からはどくどくと赤い血が流れ続けていたが痛みもよくわからなかった…
「オリヴィア…待たせてしまってごめんよ…
今、逝くからな…
これからはずっと一緒だ…
おまえには、指一本触れさせはしない。
これからは俺がおまえを守るから安心おし…」
俺は、爺さんにもらった黒い薬を取り出した。
これを飲めば、オリヴィアの所へいける…
「オリヴィア…愛してるよ…」
俺は黒い薬を一気に飲み干した…
「ニコラさん、気分はどうだ?」
気がつくと、俺は、自宅のベッドに寝ていた。
そうか…
今のは夢だったんだ…
ひどい夢を見てしまった…
そう思いたかったのだが、アランの悲しそうな顔を見て、俺はすぐに現実に引き戻された。
「ニコラさん…すまない…」
アランは俺の手を握り、涙を流してくれた。
「おまえのせいじゃないさ。
三人が相手じゃ敵うわけはない…
彼女のために戦ってくれてありがとうよ…」
「ニコラさん…!!
一ヶ月もの長い間、どこに行ってたんだよ…
あと少し早く帰れたら…」
「……一ヶ月…?」
俺がここを離れていたのはせいぜい十日のはず…
「……あ…」
俺は思い出した…
妖精の爺さんが言っていた言葉を…
「ここでは時間がゆっくりだ」と言っていたことを…
彼女は俺がなかなか戻ってこないのを心配して、浜辺までやってきたのだろう…
そして、グレンの口から俺の名前を聞き、友達だと思って気を許してしまったんだな…
なんてことだ…
俺は、夜中にこっそりと小屋に戻った。
そして、彼女の黒髪や骨を集め、袋に詰めた。
俺は古戦場を目指した。
あそこには、今でも死んだ戦士の亡霊が出ると言う噂があり、近寄る者がいなかったからだ。
「オリヴィア…おまえを一人にはしないからな…」
俺は、死に場所を探して古戦場をさ迷った。
やがて草むらの中に小さな洞窟をみつけた。
戦士たちの隠れ場所だった場所なのだろうか?
洞窟の一番奥に小さな窪みがあった。
何かを納めるような場所に思えた。
俺は、髪を切った。
そして、自分の小指を切り落とし、彼女を入れた袋にそれらを入れ窪みに納めた。
(これでもう寂しくないだろ…)
切り落とした指の跡からはどくどくと赤い血が流れ続けていたが痛みもよくわからなかった…
「オリヴィア…待たせてしまってごめんよ…
今、逝くからな…
これからはずっと一緒だ…
おまえには、指一本触れさせはしない。
これからは俺がおまえを守るから安心おし…」
俺は、爺さんにもらった黒い薬を取り出した。
これを飲めば、オリヴィアの所へいける…
「オリヴィア…愛してるよ…」
俺は黒い薬を一気に飲み干した…
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