お題小説

ルカ(聖夜月ルカ)

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020 : 妖精のお茶会

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「じゃ、行ってくるから…」

俺は早速オリヴィアに教えてもらった森へ行くことにした。



家を出てから三日が経った頃、やっとそれらしき森をみつけた。

陸にあがったこともないのに、よくもこんなにしっかりと場所を把握しているものだと感心してしまう程、入り組んだ場所にその森はあったのだ。
これも人魚の能力の一つなんだろうか…?

 森の中に入ってからも、俺は方角を失わないように必死だった。
その広い森は、同じような風景ばかりが続いている。
 下手をすると迷って出られなくなってしまいそうな厄介な森だ。



 (だからこそ、妖精も安心して住んでいられるってわけか…)

俺は、オリヴィアに教えてもらった目印の木を探した。

その木は両手を広げたような格好をしており、この森で一番大きな木だとのことだった。
結局、その木がみつかったのは次の日になってからのことだった。



「きっとこれだ!」

大きな木の根元に沿って、時計まわりに三回、そして、その逆に五回…
オリヴィアに聞いてきた通りに、俺は木のまわりを回った。

すると、どうしたことだろう!
 今まで、何もなかった木の幹に真っ黒な大穴が口を開けたのだ!

恐る恐るのぞいてみたが、漆黒の闇が広がるばかりでなにも見えない。

恐怖はあったが、オリヴィアが俺に嘘をつくわけがない…

俺は、意を決して大穴の中へ飛び込んだ。



「いてぇっ!」

俺はどすんと尻から落ちた。

尻をさすりながら立ち上がる。

そこには先程とは、まるで違う風景が広がっていた。



「きゃ!人間だわ!」

「人間だわ!」

「人間だわ!」

「人間だわ!」

そこにいたのは、子供の頃に絵本で見たことのある小人と妖精をくっつけたような奇妙な生き物だった。

空を飛んでる一匹…いや、一人と言うべきだろうか?
そいつが俺をみつけて声をあげた途端、そこいらにいた妖精達が同じことを言いながら驚いている。

その声は、まるでエコーのように村の奥に広がっていった。

しかし、驚いたのはこっちも同じ…
いきなり、不思議な世界に紛れ込み、見たこともない妖精を見たのだから…
しかも、この妖精たちは人間と同じ言葉をしゃべってやがる。
驚いても無理はない話だ。
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