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012 : 竜殺し
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河沿いにしばらく歩いていくと、小さな町があった。
私達はその町の宿屋に入った。
さして大きくもないその宿には、私達の他に泊まり客はあまりいないようだ。
クロワはこの町の周囲のことを宿屋の主人に聞いて来るということだったので、私は一足先に部屋に向かった。
窓からはあの大きな河が見える。
さっき、あれだけ見て来た河なのに、河の流れとは本当に見飽きないものだ…
私はまたあの河を眺めていた。
「マルタンさん!」
不意に声をかけられ、振り向くとクロワが立っていた。
「あ……すみません。ぼーっとしていて…」
「あの河の流れは見てると本当に落ち着きますよね…
今、宿のご主人に聞いてきたんですが、この近くにはあの山以外にはそれほど薬草が自生してる場所はないようです。
あ、それから、この河の上流には竜の滝という綺麗な場所があるそうですよ。
また、そのうち訪ねてみましょうね!」
「竜の滝…?
面白そうですね。竜の伝説でもあるんでしょうか…」
「そうかもしれませんね。
また誰かに聞いてみますね。」
どこの町にもこういう伝説の一つや二つはあるものだ。
そして、そんな伝説にひかれて人々が集まり、それがまた新たな伝説を生み出していく…
「竜の滝」というからには、きっと竜が棲むとか、かつて棲んでいたとか、きっとそんな所だろう…
神秘的な場所なのかもしれない。
だとすれば、観光には良さそうだ。
私はその晩は早めに休んだのだが、相変わらずクロワは遅くまで起きて薬を作っていたようだ。
次の朝、私達は再び昨日の山に薬草を採りに行った。
十分すぎるほどに薬草を摘み、宿に戻った。
戻るなり、クロワは薬草を選別したりいろいろと忙しそうに作業をしていたが、私にはいまだほとんど薬草の区別が付かない。
手伝いたい気持ちはあるのだが、却って手間をかけさせることにもなりかねないので、いつも黙って見ていることしか出来なかった。
私に出来ることといえば、薬草を摘むことと運ぶこと、そして薬売りの手伝い位のものだ。
本当にふがいない…
私達はその町の宿屋に入った。
さして大きくもないその宿には、私達の他に泊まり客はあまりいないようだ。
クロワはこの町の周囲のことを宿屋の主人に聞いて来るということだったので、私は一足先に部屋に向かった。
窓からはあの大きな河が見える。
さっき、あれだけ見て来た河なのに、河の流れとは本当に見飽きないものだ…
私はまたあの河を眺めていた。
「マルタンさん!」
不意に声をかけられ、振り向くとクロワが立っていた。
「あ……すみません。ぼーっとしていて…」
「あの河の流れは見てると本当に落ち着きますよね…
今、宿のご主人に聞いてきたんですが、この近くにはあの山以外にはそれほど薬草が自生してる場所はないようです。
あ、それから、この河の上流には竜の滝という綺麗な場所があるそうですよ。
また、そのうち訪ねてみましょうね!」
「竜の滝…?
面白そうですね。竜の伝説でもあるんでしょうか…」
「そうかもしれませんね。
また誰かに聞いてみますね。」
どこの町にもこういう伝説の一つや二つはあるものだ。
そして、そんな伝説にひかれて人々が集まり、それがまた新たな伝説を生み出していく…
「竜の滝」というからには、きっと竜が棲むとか、かつて棲んでいたとか、きっとそんな所だろう…
神秘的な場所なのかもしれない。
だとすれば、観光には良さそうだ。
私はその晩は早めに休んだのだが、相変わらずクロワは遅くまで起きて薬を作っていたようだ。
次の朝、私達は再び昨日の山に薬草を採りに行った。
十分すぎるほどに薬草を摘み、宿に戻った。
戻るなり、クロワは薬草を選別したりいろいろと忙しそうに作業をしていたが、私にはいまだほとんど薬草の区別が付かない。
手伝いたい気持ちはあるのだが、却って手間をかけさせることにもなりかねないので、いつも黙って見ていることしか出来なかった。
私に出来ることといえば、薬草を摘むことと運ぶこと、そして薬売りの手伝い位のものだ。
本当にふがいない…
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